LA港 6月は8%増の89万TEUに回復 7月好調も8月以降大幅減へ
Daily Cargo 2025年7月16日掲載
米国ロサンゼルス港の6月のコンテナ取扱量は、前年同月比7.8%増の89万2340TEUとなった。関税の影響で取扱量が減少した5月から一転して、好調に推移。6月実績として過去最高を更新した。これにより、1~6月期のコンテナ取扱量は前年同期比4.7%増の495万5812TEUとなった。
6月実績の内訳を見ると、実入り輸出が3.0%増の12万6144TEU、実入り輸入が9.7%増の47万450TEU、空コンテナが7.0%増の29万5746TEUとなった。5月実績は米国が導入した相互関税の影響で、11カ月ぶりにマイナスとなり、2024年以降では月間ベースで最も少ないコンテナ取扱量となったが、5月中旬に米中が一時的な関税引き下げで合意したことを受けて、荷動きが急回復。この結果、6月のロサンゼルス港のコンテナ取扱量は増加に転じた。主要コンテナ船社がサービスを再開・新設したほか、追加船がロサンゼルス航路に投入されたことも輸入の増加に貢献した。
これにより、1~6月期のコンテナ取扱量もプラスで推移した。実入り貨物の内訳は、実入り輸出が8.3%減の72万136TEU、実入り輸入が3.3%増の254万8228TEUとなった。
一方で、今後の見通しについては不透明だ。ロサンゼルス市港湾局のジーン・セロカ局長は現地時間14日に開催したメディアブリーフィングで、「一部の輸入事業者は関税が引き上げられる可能性に備えて、年末商戦向けの貨物を今から輸入している。小売り事業者やメーカーが後の貿易の不確実性に備えるため例年より早めに注文しており、7月がピークになる可能性がある」とコメントした。セロカ局長によると、7月は約95万TEUのコンテナ取扱量を見込んでいる。しかし、8月以降に相互関税の新たな料率が課せられることから、「現状のままであれば、新関税の導入によりコンテナ貨物量は減少し、米国の輸入業者にとってコストの増加につながるだろう」とした。
全米小売業協会(NRF)とハケット・アソシエイツの最新の小売りコンテナ貨物の輸入見通しにおいても、7月は関税の適用猶予の影響でコンテナ荷動きが当初想定よりも上振れするが、8月以降は前年同月比2ケタ減で推移すると予想している。昨年は米国東岸港湾における労使交渉の行き詰まりもあり、西岸港湾への利用シフトが進み、ロサンゼルス港の年後半のコンテナ取扱量は80万TEU台後半から90万TEU台で推移していた。今年は反動もあり、大きく減少する見込みだ。
輸出に関しても、米国製品に対する相互関税の引き上げが進む懸念があり、セロカ局長は「輸出量の減少につながる可能性がある」と指摘した。
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