主要コンテナ船社 インド籍船確保の動き相次ぐ
Daily Cargo 2025年11月6日掲載
主要コンテナ船社がインド籍船を増やしている。MSCはインド船籍のコンテナ船12隻を確保する方針を決めた。マースクもコンテナ船2隻をインド船籍に変更。CMA-CGMは既存コンテナ船4隻をインド船籍に変更したほか、10月には1700TEU型LNG燃料コンテナ船6隻をインド籍船として新造整備する方針を明らかにした。各社ともに、今後の成長が見込めるインドを「重要な国」と位置付けており、インド籍船を増やしていくことで同国との長期的な関係強化を図るとともに、インドの海事産業の発展に貢献していく。
MSCのソレン・トフCEOが自身のリンクトイン(LinkedIn)で、インド籍船12隻を就航させる方針について明かした。トフCEOは10月29日にムンバイで開催された、グローバルマリタイムCEOラウンドテーブルに参加し、モディ首相と面会。「インドはMSCにとって重要な国であり、海運、港湾、物流の分野で力強い発展を続けている。協議の中で、インド籍船12隻の就航についてもコミットメントを確認した。長期的なパートナーシップを強化し、インドの海事分野における野心的な発展を支援していく」とした。
マースクは10月30日、インドへの投資を加速し、グループとしてインド事業を大幅に強化する方針を示した。この一環として、1800TEU型コンテナ船「MAERSK VIGO」と「MAERSK VILNIUS」の2隻をインド籍船に切り替えた。マースクは、「インドは堅調な経済基盤、コンテナ貿易の拡大、海事セクターにおける重要な政策改革により、マースクにとって重要な成長市場となる。インドにおけるプレゼンス強化への継続的な取り組みの一環として、コンテナ船2隻をインド船籍として登録した。また、デンマークとシンガポール、香港の船籍を取っていく方針は維持していく」としている。船舶の修理やメンテナンスにおいても複数のインド造船所と協力関係も築いており、新造船の機会も模索する。
CMA-CGMは今春以降、コンテナ船4隻をインド籍船に変更した。加えて、インドのコチン造船に対して1700TEU型のLNG燃料コンテナ船6隻を発注した。2029年から31年にかけて竣工する予定。インド造船所が大手船社向けに新造コンテナ船を建造するのは初となり、韓国のHD現代重工からの技術協力も受ける予定だ。
CMA-CGMは年末までに1000人のインド人船員を採用する計画で、来年にはさらに500人のインド人船員を雇用する方針。インドの海事産業の成長に貢献していく。
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