物流よろず相談所

2026年の課題に挑む

2026年2月4日

『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志


人手不足が慢性化する運送業界において、1人のドライバー、スタッフに求められる能力は年々増え、高度化してきています。働き方改革における労働時間制限の中、限られた人数で、自社の課題を解決していくためには従業員の潜在能力を最大限に引き出し、安全で効率的な輸配送とパフォーマンスを実現していく必要があります。物流業界では荷主の動きにより国内物流の現在の形は大きな変化を遂げてきました。多種多様な社会ニーズに応えようとする荷主にとって、正確かつスピーディな物流システムは必要不可欠となっています。そのためコアな自社機能に専念、コスト削減とサービス向上による競争力の強化を目指し、アウトソーシングや3PL、4PLを選ぶことはごく自然な形とも言えるでしょう。経済の停滞や不安定な社会情勢にあって多くの企業は、トータル物流コストを抑えて利益を生む必要性を考えています。コスト削減とサービスと生産性の向上もアウトソーシングを進めるメリットとしている荷主企業が増えていることは事実です。

従来の3PLに戦略的コンサルティングとサプライチェーン全体のマネジメント機能が加わったより高度なアウトソーシング形態が4PLです。企業の経営方針に基づくロジスティクスの戦略立案から携わり、課題を解決に導くサービスです。そのカギは問題解決とコンサルティング能力にあります。

人手不足に伴う業務の効率化やDX推進など、とりわけ2024年以降の物流業界では様々な改変が加速して行きました。荷主側も、物流が停滞する恐怖もさることながら、年々複雑化する物流業務への対応が自社事業を圧迫しかねないとの気付きから3PL、4PLを選択するケースが近年また増えてきたのです。国内のサプライチェーン戦略は大きな変革期にあることがその要因のひとつでしょう。従来の3PLでは対応が難しかった複雑化・多層化するロジスティクスを一元的に最適化する4PLの需要は着実に増えています。2025~30年、4PL市場は平均で6.7%の成長率が見込まれ、日本におけるロジスティクスの主軸が3PLから4PLへと少しずつ移行していく兆しが見えてきました。

2026年、物流業界も大きな変化が訪れました。昨年施行された改正2法、今年度から特定荷主に様々な義務が課せられることになりました。そのような法改正、社会変化を受けて、これからの物流業はどう舵をきっていけば良いかを考えたいと思います。

まず自社の分析を進めて参りましょう。よく知られているSWOT分析(強み、弱み、拡大機会、脅威)を記載して、自社の位置づけをはっきりさせましょう。自社の強みはどこにあるか、自社の弱点はどこにあるのか、既存荷主との関係及び新規顧客の開拓など明らかにしておきましょう。次に市場調査(正確な数値・データ)を基に、マーケティングリサーチ(顧客の潜在ニーズ、行動の深層)を継続できているかがポイントとなります。同じように「問題解決のための枠組みや手法」であるフレームワークを活用しましょう。3C分析、4P、4C分析、PDCAなどがあります。SWOT分析(自社の強み、弱み、新しい市場などの機会、競合参入・規制強化などの脅威)に加えPEST分析(政治、経済、社会、技術)などもマーケティングのフレームワークとして外部環境の全体を把握し、リスクを早期に回避できる有効な手段となります。

分析ができたら目標を明らかにして、取組みを始めて参りましょう。まずは自分自身の課題を正しく認識することからスタートしましょう。課題克服にはまず目標を明確にした方が良いからです。問題意識が自己の中に存在するか確認することが大事です。可能性思考(陽転思考)を上手く取入れ、ストレスを減らしておきましょう。自分の長所を知っておく(仕事、人間関係にプラスとなるものは伸ばそう)ことも必要です。人間関係をうまく活かせる基本「相手の立場に立つ」、は実践できているか、仕事の現場でも意識してみましょう。

マーケティング戦略を立てる際、競合や市場の分析は自社の強みや弱み、また市場の動向などを明確にできる有効なものです。競合をリストアップし、それらの製品(サービス)の価格、品質などを比較、同時に現市場の規模や顧客のニーズ、最新の動向と今後 の予測をし、自社戦略に取入れる必要があります。物流事業者が競争優位性を築き、勝てる市場で勝負するには大手との直接競争を避け、自社特有の強みを活かせる分野に特化することがカギとなります。今後成長分野として有望とされるのが高付加価値、専門輸送市場(大型貨物や重量物、インフラ関連プロジェクト輸送、また特定温度帯や厳格な品質管理を要する分野など)が考えられます。①自社の強みを深く分析(所有車両、地理的拠点、従業員のスキル、既存顧客との関係性など、戦略の核となる強みを特定)、②市場の課題を特定(特定地域における人手不足や特殊貨物の扱いにくさなど)、③自社の強みと市場の課題を結びつけ、差別化要因を打ち出す(価格以外の品質、スピード、専門性等で勝負)など備えておきましょう。2026年勝ち残る企業となるための戦略を構築して、前に進みたいものですね。      

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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