効果的な人材募集とは1
2026年2月25日
『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志
物流業におけるもっとも大きな課題と言えば労働力の不足、多くの経営者は語るでしょう。近年、物流業界では人手不足がますます深刻化しており、解決すべき問題の一つとなっています。今回はこれまで行なってきた募集方法を見直して行くには何から始めれば良いかを考えてみたいと思います。
厚生労働省の一般職業紹介状況によると、「輸送・機械運転従事者」の有効求人倍率は2.15倍、そのうち「自動車運転従事者」は2.56倍でした。有効求人倍率とは、求職者一人当たりの求人数を表す指標です。1倍より倍率が大きいほど求職者よりも求人数が多い状況となり、働き手が足りない状況を表しています。全産業の有効求人倍率は1.11倍ということから、物流業界は他の産業に比べて特に働き手が足りないことが明確にわかります。また、帝国データバンクの調査によると、人手不足によって倒産した物流会社は全体の6%に上っています。件数で見ると前年の20件から39件と約2倍に増えており、物流業界では今後も人手不足による倒産が相次ぐと予測されています。
全日本トラック協会の資料によると、2025年時点でトラック運送事業に従事する就業者数は約201万人、そのうち輸送・機械運転従事者は約86万人でした。2010年からの推移を見てもほぼ横ばいですが、近年増加する宅配需要に対してドライバーの人数は足りていません。株式会社NX総合研究所の資料によると、2020年度時点でトラックドライバーは4万人以上も不足しており、2030年度には約5倍の21万人以上不足する見込みとしています。需要量が増える一方ですが、供給量は人手不足がより深刻化するため減ると予測されており、このままではドライバーがたりないままEC物流の発達で宅配需要が増え続けると見込まれています。
何故ドライバー不足が深刻になってきたのか、考えてみましょう。物流業界は労働条件の悪さに加え、少子高齢化や宅配需要の増加により人手不足が深刻化しています。その要因を分析してみたいと思います。
それでは募集における問題点を見てみましょう。人手不足のため募集=だれでも採用してしまうということです。経営者・幹部の多くは普通トラックから大型車両を活用して事業展開されている方々が多いと思います。ドライバー不足は同じでも特に大型ドライバーの人手不足は深刻です。これまで年間で10万人位の取得者がいた大型免許は免許制度の改定以降年間6万人弱まで減少しており、募集をしても集まらないという現状が続いています。そのため大型免許を所持していれば誰でもいいからと採用し、その採用者がトラブルを起こしてしまうというケースが後を絶ちません。
募集時において気をつけることは、まずは過去運転経歴をチェックすることが大事です。警察が発行する運転記録証明書(過去5年間)の提出を必ずしてもらうこと、次にこれまでの仕事において達成できたこと、難しかったことなどを語ってもらうことが必要です。そのような質疑応答を行なう中で、その人の話し方や態度からその人物・自社ドライバーとしての適正が判明するでしょう。あとは採用時に保証人を複数名提出してもらうことなども考えておきたいものです。これら一般企業で当たり前に実施されていることを適正に実施すれば、社会マナーや規律を守れない社員を採用して後々苦労することはなくなると思います。良いドライバーを採用するための手間は惜しまず、今は普通免許しか持っていなくても意欲があり大型ドライバーを思考しており、将来的に会社に貢献していただけそうな人材を人物本位で採用して参りたいものです。