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コンテナ船 気候変動が物流混乱要因に 熱波や水位低下、台風で

Daily Cargo  2026年7月16日掲載

世界的な気候変動がコンテナ物流の新たなリスク要因となっている。欧州では熱波の影響でターミナルの稼働に支障が出た。猛暑や雨不足で河川の水位が低下し、バージによる内陸へのコンテナ輸送に悪影響が出るケースも懸念されている。また、パナマ運河庁は今月、ガトゥン湖の水位状況や今後の見通し、エルニーニョ現象が発生・発達する可能性を踏まえ、ネオパナマックス閘門の喫水制限を強化する方針を明らかにした。港湾での滞船や河川の輸送量の減少、運河の通航量制限などがボトルネックとなり、スケジュールの遅延やコストの上昇につながることが懸念される。

今年は欧州で記録的な猛暑となっている。港湾インフラは高温の影響を受けやすい。例えば、ヤードのアスファルト路面に凹凸が生じる可能性があるほか、荷役機器も過熱により生産性が低下し、連続稼働には冷却時間が必要となる。港湾労働者の熱中症対策も重要だ。港湾労働者の安全を確保するため、高温が続く場合は水分補給などを目的とした追加の休憩が必要となる。また、ITシステムでも高温による障害が発生するケースがある。猛暑が続けば、ターミナルの生産能力に悪影響を及ぼし、コンテナ物流のボトルネックとなる可能性がある。

猛暑と水不足は内陸輸送や河川輸送にも影響を及ぼす。高温によって山火事が発生し、内陸輸送に支障が出るケースも出ている。また足元では、北米のセントローレンス川や欧州のライン川の水位低下が懸念されており、主要コンテナ船社が低水位サーチャージを導入する動きも出ている。日本では港湾から内陸へは多くがトラックで輸送されるが、海外ではバージによる河川輸送で対応するケースも多い。しかし、水位が低下することで輸送能力が制限されるほか、船社がサーチャージを導入することで、荷主のコストも上昇する。

台風も激甚化・頻発化している。港湾は安全を確保するため、台風通過時はポートクローズなどの対応を取るが、その前後は作業負荷が高まり、生産性が低下する。結果として短期的な港湾混雑を引き起こす事例が増えている。先週も中国を中心に発生した悪天候により、多数の船舶が入港待ちで滞留している。海事調査会社ライナーライティカによると、特に上海港と寧波港の周辺で200万TEU以上のコンテナ船が滞留しており、滞留解消には数週間を要する見通しだ。

港湾のオペレーションと内陸輸送に支障が出れば、コンテナ船の運航スケジュールにも悪影響が出る。コロナ禍以降は、コンテナ船のスケジュール遅延が常態化しており、安定化が大きな課題となっている。気候変動の影響がさらに状況を悪化させる可能性もあり、コンテナ物流関係者は懸念を示している。

またパナマ運河の状況にも注目が集まっている。パナマ運河は閘門式となり、通航時にガトゥン湖から大量の水を使用する。このためパナマ運河庁はガトゥン湖の水位を維持するため、水位状況の監視と予測を行っており、必要に応じて対策を講じている。2023年には水不足の影響で通航制限や喫水制限が発生し、コンテナ船を含めて幅広い船種で大きな影響を受けた。今年は通航隻数の制限は発生していないが、エルニーニョ現象なども踏まえ、今月3日にネオパナマックス閘門の最大許容喫水が49.5フィート(約15.09メートル)となり、7月24日には49.0フィート(約14.94メートル)、8月15日には48.5フィート(約14.78メートル)へと段階的に引き下げる予定だ。またパナマ運河庁は、過去の事例から中規模もしくは大規模なエルニーニョ現象の影響は発生翌年に顕著に表れる可能性があるとして、警戒を強めている。パナマ運河の通航に支障が出れば、23年と同様にアジア―北米東岸航路などで貨物の重量制限や迂回が進む可能性もありそうだ。

気候変動への対応は、コンテナ物流における重要課題となっている。有事に迅速かつ柔軟に対応できる体制の構築と、平時からの事業継続計画(BCP)の策定・整備の重要性が高まっている。


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