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IATA 「航空脱炭素制度、CORSIAに一本化を」EU-ETSの域外上乗せに反対

Daily Cargo  2026年10月13日掲載

国際航空運送協会(IATA)は6日、国際航空の二酸化炭素(CO2)排出対策について、国際民間航空機関(ICAO)の「CORSIA」を世界共通の枠組みとして強化するよう各国政府に求めた。欧州連合(EU)が独自の排出量取引制度(EU-ETS)を域外国際線にも広げる案には反対を表明。地域・二国間の制度を重複させず、CORSIAを国際航空の世界共通制度として維持すべきだと主張した。

CORSIAは「Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation」の略称。2016年のICAO総会で採択され、21年に運用を開始した。国際航空からのCO2排出量が一定の基準を上回った場合、航空会社がICAOの認める排出削減・除去クレジットなどを活用して、その増加分を相殺する仕組み。技術革新や運航効率化、持続可能な航空燃料(SAF)などによる直接的な排出削減を補完する制度と位置付ける。

制度は21~23年の試行段階、24~26年の第1段階を経て、27年から第2段階に入る。参加国は26年の130カ国から27年には134カ国に増える予定。IATAによると、27年以降は世界の国際航空排出量の約85%をCORSIAがカバーする見通しだ。

IATAによると、CORSIAによるCO2排出の軽減量は26年末までに累計約2億トンに達する見込み。35年の制度終了までに、世界の排出削減や炭素除去事業に最大1200億ドル(約19兆円)の資金が供給される可能性があるとしている。

一方、EU-ETSは、EUが導入している排出量取引制度で、航空会社は対象便のCO2排出量に応じて排出枠を確保・償却する必要がある。航空分野では現在、主に欧州経済領域(EEA)域内便などにEU-ETSを適用し、欧州域外との国際線にはCORSIAを適用している。

EUは現在、EU-ETSの改正を進めている。欧州委員会が7月に示した改正案では、29年から一定の条件を満たすEEA発の域外国際線にもEU-ETSを拡大する。改正案では、CORSIA対象路線について二重負担を抑える調整措置も盛り込んでいる。今後、欧州議会とEU理事会で審議される。

■EU-ETS拡大で航空会社負担拡大
IATAは、EU-ETSを域外国際線に広げれば、CORSIAと地域・二国間制度が重複するとして反対している。地域・二国間の制度が並立すれば、国際航空に世界共通の枠組みを適用するというCORSIAの考え方が損なわれると主張する。IATAの試算では、EU案による適用範囲の拡大で、27~40年の航空会社のEU-ETS対応コストは従来想定より40%増え、総額2800億ユーロ(約50兆円)に達する可能性がある。

IATAはEUに対し、域外国際線へのEU-ETS拡大を見送り、CORSIAを国際航空の世界共通制度として維持するよう求めている。あわせて、EU-ETSで航空分野から得る収入をSAF生産や航空インフラ、新技術への投資に充てるほか、SAF導入を支援する排出枠制度の拡充を要請した。


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