徒然日記

わたくし的に「いじめ問題」を考える

2019年12月18日

『徒然日記』 

 

【全国の小中高校などで起きるいじめのうち、命の危険にも結びつく「重大事態」が急増している。文部科学省の調査によると、平成30年度の重大事態の発生件数は前年度より128件増え、過去最多の602件に上った。最初は悪口程度だったのが放置され、次第にエスカレートするケースも少なくないようだ。階段で背中を押す、トイレの床を拭かせようとする…。被害児童のSOSは、なぜ見過ごされたのか-。】(産経新聞)。かようしかじかで、「いじめ」の悲惨なニュースは後を絶ちません。

前号でも書きましたが、私が小学校に入学したのは、太平洋戦争末期の昭和20年(1945年)でした。戦禍を逃れて3年ほど前に、東京から疎開した田舎の小学校に入学しました。記憶には具体的にはあまり残っていませんが、「東京の子供」ということで、いじめられました。「不登校児童」とまではいかなかったように思いますが、あまり登校せず、7月頃に、東京に戻ってきました。しかし、そのことが、心の痛手としては残っていません。

当時はそれどころではなく、空襲警報のサイレンが鳴ると、子供たちは急いで下校して家に戻りました。帰宅途中で、米軍の機銃掃射に遭った級友が亡くなったりしましたから、「アメリカのいじめ」の方が遥かに強烈だったと思います。今思うに、「いじめの恐怖⇒戦争よりは遥かにまし」が、わたくしのその後の「いじめ」に対する「抵抗力」(あれよりは遥かにまし!)になっているのかもしれません。

その様なことで、焼け野原の東京に、1学期途中の終戦(8月15日)前に戻ってきましたが、いじめられた「田舎の嫌な思い出」は、ほとんど「ダメージ」とはなっていません。(単なる“鈍感”?)

その反動でというか、「別にどうと言うこともないじゃん!」という思いから、今で思うと「いじめる側」のこともありました。中学校時代に、チョット波長の違う女生徒に、からかうような言葉を投げかけていました。今思うに、その時は「いじめ」という認識はまったくありませんでした。(反省!)。その対象女性とは,その後の普通に挨拶していました。

整理してみます。「いじめ」の種類としては、

①親が子供をいじめる。これは「虐待」。
②学校での、生徒同士のいじめ。これは「文字通り」。
③先生が生徒をいじめる。(理由は、もしかして「単純」!?)
④会社や学校で上司が部下をいじめる。これは「パワハラ」。
⑤最近よく取り上げられている、スポーツ界での指導という名の「暴力」。
⑥いわゆる「セクハラ」。「何気ない言葉一つでも相手を傷つける」という指摘を肝に銘じておく必要があります。
⑦なんと最近では、「生徒の先生に対するいじめ」が、問題になっています(下克上?)。

ということですが、近頃良く見受けられる、【問題指摘を受けて、記者会見までやっている(やらされている)「学校」、「教育委員会」、「自治体」、「各種団体」や「会社」等での“後手に回っている対応”】について、「なんでそうなっちゃったの!」と憤慨しています。

それこれに対して、受ける側のわたくしとしては、「前述の経験」があったお陰か、会社勤め時代にも、「いじめ・嫌み・偏見」の“攻撃”を、乗り越えてきました。

そして、別の切り口からでは【日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い】という傾向があることが明かされました(国立教育政策研究所調べ)。

その調査によると、【スウェーデンでは、仲間外れなどを人権問題と捉え、議論に大人も巻き込み、法律でいじめをやめさせるような対策を長年続けていました。一方、日本では、1980年代に校内暴力が社会問題になってから、暴力には厳しい視線が注がれ、教師の体罰なども厳しく罰せられるようになりましたが、仲間外れや陰口などは大人が日常的にしていることが多く、それを見た子どもたちが「自分たちもやってもいいんだ」と感じている可能性があると考えられます】とありました(同研究所)。

「いじめで学校に行けなくなる子ども」、「パワハラやセクハラで会社に行けなくなる大人」。どちらも、誰もが被害者になるリスクがあれば、加害者になる可能性もある、深刻な社会問題です。

このようなデータもあります。いじめを目撃したときの対応⇒(「みてみないふりをしますか?=傍観者」と「止めに入りますか?=仲裁者」)を子どもに尋ね、英国、オランダと日本の3カ国で比較したところ、次のような結果が出てしまったのです。

*日本では、年齢とともに「仲裁者」の比率が下がり続け、中学3年ではわずか20%

*英国は、年齢とともに比率は下がるものの中学1年で下げ止まり、中学3年では約45%に反転*「傍観者」は、日本は年齢とともに上がり続け、中学3年では約60%に達する

*英国とオランダは、小学生から中学生に向けてやはり上昇するものの、中学2、3年において一転して低下。英国の中学3年生の傍観者比率は約40%

そのようなことですので、中学生以降の子どもたちの言動には「社会の影響」いや、正確には「大人」が与える影響は極めて甚大です。

そして問います。あなたは「傍観者」になっていませんか?さらに「仲裁者」の方は?

【成すべき事】「自分」(大人として)の言動をまずは振り返る。そこから勇気を持って正しいことにチャレンジする。

ということですが、今号が私の今年最終号となります。いささか早いですが、「みなさま、良いお年を」!!

著者プロフィール

小泉武衡

主席研究員

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。空き倉庫の有効活用については、弊社にご一報ください。

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