徒然日記

もう一度「SNS」

2020年12月16日

『徒然日記』 

 

覚えておいでの方は、おそらくいらっしゃらないと思いますが、白状しますと、10月21日号で「ステルスマーケティング(ステルマ)」について書きました。我が国でもいろいろと論じられている表題「SNS:ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)」のことです。

ということで、表題についての原稿を書き始めていたときに、アメリカ大統領選挙のニュースが次々と入ってきました。ご存じのように、米大統領選挙は11月3日(現地時間)に行われました。コロナ禍での選挙と言うことで、選挙演説は大変難しい状況でしたが、投票率は過去最高だったようです。その理由は、期日前投票が1億6千万人を超え、そのうちの「郵便投票」が1億人超となっていたということによりますが、選挙の結果、バイデン候補が勝利しました。

私はこの大統領選挙に関心を持ち、10月24日に「トランプVs.バイデン」の最後の公開討論会のことをネットで見ていました。そこで見ていた一部の情報から、興味ある言葉を知りました。

それは、「プラットフォーム(platform)」と「パブリッシャ(publisher)」という言葉です。

「プラットフォーム」は文字通りで、「台」「壇」「舞台」「乗降場」など「一段高くなった場所」ですが、<Google>や<FaceBook>、<Twitter>などの「パブリッシャー」(発行者、出版社等)が、機器やソフトウェアを動作させるのに必要な、基盤となる装置やソフトウェア、サービス、あるいはそれらの組み合わせ「動作環境=プラットフォーム」を提供することで、多くの発信者が様々な情報を発信し、その情報を多くの人が見ることになるという仕組みですが、今回の大統領候補お二人は、各州(特に激戦州)をまわっての演説が「コロナ禍」のため制限された分、「オンライン集会」やこの<SNS>を利用して多くの発信をしていました。

そのことが選挙活動にどう影響をしたのかの結論づけには、今しばし時間がかかると思いますが、例えば、「FaceBook」に対して「トランプ候補」は、「言いたいことをのせてくれない」と発言し、「バイデン候補」は、「嘘を書く」と、双方違った見解の発言をしていました。

確かに「言いたいことが言えなかったり、嘘を書かれたり(「そもそもの発言が正しい」という前提に立ってですが)」したとすれば、真意は伝わらず、誤解を与えることになり、それを受けた人たちが、さらに曲解を含めての様々な発言をするでしょうから、まさに「真相は闇の中」となってしまいます。

ご経験のある方がおいでだと思いますが、子供の頃に「内緒話言い伝えゲーム」(正式な名称は知りません)をやったことがありました。最初の人が考えた文言を、次の人に耳打ちする、その言葉をさらに次の人に耳打ちする。それを続けていって、最後の人がその言葉を答えるのですが、最初の人が囁いた言葉が、最後の人に間違わずに伝わると言うことはまずありません。

このことから言えるのは、「正しい最初の発言」が人づてに伝わるたびに、少しずつ言葉の内容が変ってきてしまうという危険性があると言うことです。

さらに、「1人の正論」よりも「多数の曲論」の方が有利に働くという危うい現実が「SNS」にはつきまとっています。

現在、様々な「SNSに対する問題提起」に対して「拡大制限」や「発信者の特定と開示」などが議論されていますが、それに関連してこのような報告があります。

【米国内の企業の大半が、「Facebook」や「Twitter」などのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)へのアクセスをブロックしていることが判明した。「完全に」社内でのSNS利用をブロックしている企業が54%に上っているのに対して、「ビジネスでの利用目的」に限って許可しているという企業も19%に達している。(Robert Half Technologyの実施した新たな調査結果)】

情報が溢れすぎていることに対して、一歩下がって、冷静に見届ける必要のある時代だと言えます。

これも「SNS」の範疇に入るのでしょうか?ネットサーフィンをしていたら、このような「問題提起」がありました。【会社から「4人以上で飲みに行ってはいけない」という厳しい通達が出たにもかかわらず、大勢で忘年会をしたことがばれたら「懲罰ですか?」】に対して「SNSでの回答」【「会社が責任を持って監視監督する業務外」のフリーの時間帯の行為なので、あっても「厳重注意」程度では無いか。】それでは「コロナに感染した場合は?」に対しても、【それが飲み会が原因によるのと明らかになっていない場合は、『忘年会』とは切り離して考えるべき】だそうです。

皆さんは、この問いかけに、どのように判断をくだされますか?冬休みの宿題とさせていただきます。

ということですが、この号が今年最後となります。1年間お読みいただきありがとうございます。「コロナ禍騒動」はまだまだ続くと思います。大阪や北海道では、緊急事態として、「自衛隊の看護師派遣」が実施されたようでしたが、いかがなりますか。

まだ少し早いですが・・・、皆様、どうぞ「良いお年を」!

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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