インタビューリレー「物流企業はいま!」

希望ある業界へ指針提示を。約款改定は追い風、地道に対処

物流企業トップに聞く ~物流企業はいま!(15)~
ILRS-NEWS Vol.422

 

株式会社フコックス 鎮目隆雄 社長

― 御社にとっていま最も重要な経営課題は何か。

(鎮目社長) 世の中は人手不足で運送業界でいえばドライバーをどう確保し、育成していくかということになるが、当社ではセメント車などのバルクトレーラーが多いため、手積み手卸しがないため比較的やめる人は少ない。ただ、高齢化は避けて通ることができず、平均年齢は50歳を超えている。欠員募集をかけるがなかなかいい人材をとれないのは同じだ。課題として気になっているのは、物流業界の変化が速く、これから業界がどう変わって我々は的確に対応できるのかという点だ。

当社は20年以上前から運送の比率を下げて、その他の物流加工、製造にまつわる各種作業、構内物流の管理などやって現在では運送の売上比率が半分程度になってきた。本来、物流業の社会貢献度は経済のインフラとして非常に高いはずだが、いまだに3K、4Kと言われ末端の作業員が希望を持って入って来ない。どうやったら若者が希望を持って入って来られるのかは、業界として次世代に引き継ぐに当たり指針を示していかなければならないと思う。働き方改革で就労の根本的な見直しがどんどんと進む中で、まずは待遇改善が不可欠で人件費アップの原資はなお物流業の中心となる運賃収入となる。これを上げていかねばならない。

― 昨年の運送約款の改定に対して御社はどのように対応したか。

(鎮目社長) 約款の改定で言えば、国がここまで考えてくれたことはかつてなかった。2年前に国土交通省の取引環境・労働時間改善協議会が発足した時、私はメンバーにしてほしいと手を上げたが、委員は大手企業、荷主、労組、学者などで既に決まっていて、トラック協会は3名しかいなく私はオブザーバーとして参加させてもらったが発言の場は与えられなかった。

しかし、わが業界の置かれている厳しい状況を、様々な場で訴えて行く必要があると思う。今は最大のチャンスだ。当社としても協会を通じて新約款を出させてもらった。ただ、追い風ではあるが、実際には個々の交渉にかかっており、現実に進めていくのはこれからだ。荷主の抵抗はもちろんあり、交渉のとば口についたばかりで顧客にはしっかりと説得していく。幸い、今はデジタコ、ドラレコその他、道路の規制、渋滞、天候などデータがとり易くなっており、これらのデータを収集分析し顧客に示して理解を得られるようねばり強く交渉していく。こうした地道な努力を積み重ねて、ドライバーや物流業界の待遇を魅力あるものにしていきたい。

― 行政や業界に要望や訴えたいことがあれば。

(鎮目社長) 当社はセメント車が中心なのだが、特殊車両ということで通れる道が限られていて指定以外の道や橋は通行許可を申請しなければならない。高速道路では国が許可した通常の25トン車(最大積載重量)が通れず、MAX24トンに削って通行している。通行許可は従来1か月程度で取得できたが、最近は件数が増えているのか3~4か月かかることもあり、業務に支障が出ている。昨年からかなりの台数のトラクターヘッドを入れ替えたが、3~4か月許可が下りず、車庫確保に苦労した。特に今は現場納品が多いので同じ場所がなく、毎回許可を取らなければならない。申請が簡素化されて、もっと早く許可をいただけるようにしてほしい。
(聞き手:葉山明彦)


株式会社フコックス
東京都江東区佐賀1-1-12

代表取締役社長 鎮目 隆雄
ホームページ https://www.fucox.co.jp/

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