インタビューリレー「物流企業はいま!」

ガバナンス強化の組織作りを。最低運賃で罰則規定も必要

物流企業トップに聞く ~物流企業はいま!(18)~
ILRS-NEWS Vol.428

株式会社ナガオ 緒方伸二 代表

― 御社にとっていま最も重要な経営課題は何か。

(緒方代表) 組織作りだ。営業の実働部隊は動いているが、管理・統括、判断する部門が明確に位置づけられてなく、管理職がプレイヤーになってしまったりして、指揮、監督する人がいなくなってしまう状況にある。この結果、収支を見極めた営業につながらず、ともすれば赤字になってしまうことにもなる。いまのあり方を検証、解消してガバナンスを体系的に強化しなければならない。総務や人事もいろいろな資格や認定をもらっているが、もっと強化が必要だ。

人的には新卒採用を昨年から開始し、昨年4人、今年3人を採用した。来年も複数名取りたいと思っている。しっかりした教育を社内に取り入れて、ある段階から経営に携わってもらい、権限と責任をもって、5年や10年かかるかもしれないが、社内に文化を作っていきたい。

― 昨年の運送約款の改定に対して御社はどのように対応したか。

(緒方代表) 約款自体は運賃を改定する形で届け出たが、これをもとにした荷主との折衝はしていない。約款改定はいまのところ相手先に対して強制力をもっておらず、努力をしろという意味だけで後ろ盾になっていない。荷主とは以前から人件費、燃料の上昇や働き方改革による人員増などを要因に話し合いをしていて、いまは運賃変更で交渉のまっ最中だが、相手のふところ具合を把握してお互いにウィンウィンの関係になるような交渉をするように言っている。

― 行政や業界に要望や訴えたいことがあれば。

(緒方代表) 政府は大手企業を中心に経済が上向くような施策をとっており、大手は数字的によくなり内部留保しているが、中小企業には全然反映されていない。自民党の総裁選で中小企業問題が多少取り上げられたが、地方再生というだけで中小には矛先が向いていない。その一方で最低賃金はどんどん上がり、体力的に苦しくなっている。こうした経済構造の歪みはいつまで続くのか。国土交通省は規制管理する立場の行政を行ってきたが、規制は条件をクリアするための環境を整備して初めて我々が受けられるもので、いまは少ない蓄えをどんどん吐き出さなければならない状態だ。一方、同じ国交省でも観光バス業界は事故が多発した後、最低運賃を守るように指導し潤っている。運送業界も最低運賃や最低作業料金に罰則規定を設けるなどして底上げをはかってほしい。
(聞き手:葉山明彦)


株式会社ナガオ
埼玉県所沢市東所沢和田1-9-5

代表取締役 緒方伸二
ホームページ http://nagao-group.co.jp/

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