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関西空港 貨物地区、来月初め完全復旧 全日空上屋がフル稼働に

日刊CARGO 2018年11月5日掲載

 

台風21号の被害を受けた関西国際空港の国際貨物地区が、12月初めまでにほぼ完全復旧するめどが立った。復旧が遅れていた全日本空輸の輸入上屋が、12月2日までに外航の貨物便搭載分の取り扱いを完全に再開するなどフル稼働に戻る。同地区は10月初旬までに日本航空などの上屋が大半の機能を回復し、全体の処理能力は既に被災前の9割ほどに回復している。全日空上屋の完全復旧により、被災から約3カ月を経て国際貨物地区はほぼ全ての機能を回復することになる。

全日空は輸出・輸入の両上屋で施設屋根や電源設備が損傷を受けたが、9月21日から輸出上屋で輸出入双方の貨物を取り扱う形で上屋運営を再開。冷蔵・冷凍貨物を除くなど条件付きながら、旅客便や自社の貨物便搭載分を中心に貨物の取り扱いを始めた一方、処理能力が限られることからハンドリングを請け負う外航の貨物便搭載分の取り扱い再開が遅れていた。

同社の輸入上屋は10月末までに施設屋根の修理などを終えて段階的に運営を再開済み。同社は10月中旬までに自社貨物便については全路線の取り扱いを再開していたが、旅客便については関空発着の自社便、全6路線のうち3路線の取り扱い再開が遅れていた。これを10月末までに再開したほか、外航から受託する貨物便搭載分についても一部から段階的に再開している。今回、受託する全3社の貨物便搭載分の取り扱いを12月2日までに全面的に再開するめどが立った。

関空発着貨物の再開は国際線を優先してきたが、14日発着分から同社が運航する国内線搭載分の取り扱いも全面的に再開する。既に燻蒸が必要な貨物や輸出貨物の冷蔵貨物の受託も再開しているが、14日から輸入の冷蔵貨物の取り扱いも再開。引き続き、冷凍保管ができないものの温度管理の需要にも対応する体制が整った。他空港とのトラック便も同日から再開するなど、これまで設けてきた取り扱い制限はほぼ撤廃される。施設自体の完全復旧には電源設備の修理などで年内いっぱいかかるが、仮電源の活用などで上屋機能は月内に事実上のフル稼働に戻る。


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