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経済同友会・物流改革提言 新たな物流推進主体を 標準化団体・外国人運転手を

日刊CARGO 2019年2月8日掲載

 

経済同友会は5日、国内物流全般に焦点をあてた施策を提言した。①物流版シェアリングエコノミーの実現 ②先進技術の積極的な活用 ③聖域のない国内制度の改革――の3点を提言し、①では物流標準化団体の設立、また、③では、外国人ドライバーの活用や港湾物流改革に踏み込んだ。実現に向けて、推進主体などは複雑だが、「複雑であることを理由に着手しないという選択肢は残されていない」と断言。改革への早期着手とともに、「21世紀の新たな物流」の実現を後方支援する推進主体の設置を望む考えを示した。

物流改革を通じた成長戦略委員会(渡邉健二委員長・日本通運取締役会長)が、「経済成長と競争力強化に資する物流改革」と題した提言をまとめた(表参照)。提言では、「戦後復興期に産業の高度成長を目的に作られた縦割りの業法は、現在では大きな壁となり、今や成長の足かせになっている」と指摘。府省庁の壁を取り払い、新たな推進主体の設置を望むとした。提言は業界が抱える課題に深く食い込んだ内容が多い。

①では、先進技術活用による物流効率化、標準化に取り組むためにも、まず、物流プラットフォーム(PF)を構築し、規格の統一を図るべきと提言した。対象は、梱包・荷姿や輸送容器などの「有形物」に加え、共通コード、RFIDなどの規格といった「情報関連」、さらにリードタイムといった「無形物」など多岐にわたる。PF構築は社会的基盤のインフラ整備でもあり、官民連携の下で「物流標準化団体」を設立し、推進していくことを提言。設立に向け、各物流会社、業界団体、大手荷主などと連携し、具体的な検討を開始するのが望ましい、とした。
 
②では、海外と比べ「わが国では国民が無謬性にとらわれ過ぎ、不確実性を回避する国民性や規制があるため、先進技術を活用した製品やサービスの導入が進まず、諸外国と比較して、周回遅れの状況に陥っている」と指摘した。

国会議論なし・ボトルネック

③では、「わが国には、物流にかかるコストを高くする、特殊な物流環境が存在している」とし、外国人ドライバーの採用が出来ないことや、港湾の省人化・無人化の遅れ、また、高速道路の料金が諸外国より高いことを挙げた。外国人のトラック運転は道路運送法や貨物自動車運送事業法では禁止されていないが、出入国管理および難民認定法で、トラックドライバーの在留資格が認められていない。

今年4月1日施行の同法改正で新たな外国人の在留資格が14業種で創設されたが、人手不足が叫ばれるトラックドライバーについては「政府、国会での議論の俎上に載っていない」。提言では、「物流がわが国経済のボトルネックになってしまった以上、安全が担保できる場合に限り」、在留資格を与えるべきとした。

港湾物流改革では、物流PFと連携し、港湾だけで閉じることなく、SC全体を可視化・最適化できるようにすべきと提言した。


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