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DSV、パナルピナ買収で合意 売上高2兆円の物流企業に

Daily Cargo  2019年4月2日掲載

 


DSVとパナルピナは1日、DSVによるパナルピナの買収について両社で合意したと発表した。パナルピナ株主が保有する株式をDSV株式と交換するかたちで、公開買付を行う。既に約7割のパナルピナ株主が株式売却の確約で合意しており、ここにはDSVの提案に反対していた筆頭株主のエルンスト・ゲーナー基金も含まれる。DSVとパナルピナの売上高(2018年業績)を合算すると1180億デンマーククローネ(1兆9726億円、1DKK=約16.7円)となり、キューネ・アンド・ナーゲル(2兆3000億円)、DBシェンカー(同2兆1600億円)に並ぶ、超大手物流企業が誕生する。

DSVは公開買付で、パナルピナの株式1株に対し、DSVの株式2.375株式を支払う。先月29日現在の株価に基づくと約196スイスフラン(CHF)となり、パナルピナの株式1株に43%のプレミアを載せたかたちだ。DSVはパナルピナの買収提案を複数回実施しており、買収が表面化した当初は1株当たり170CHFで提案。現金55CHFとDSV株式1.58株で支払うとしていた。また、DSVは株主に対し、純利益の約15%の配当を実施することで合意した。

公開買付は5月末から6月末にかけて実施する。関係当局からの認可取得など各種手続きを終え、買収が完了するのは10~12月になる見込みだ。

買収後は両社の事業を統合する。DSVは統合会社の社名として「DSVパナルピナ」を臨時総会で提案するという。統合に向けては、両社はそれぞれ同数の役員による統合委員会を組織する。統合プロセスを監視し、全従業員に対する公正さを確保する。

統合後の事業規模は売上高約2兆円で、ネットワークは90カ国・地域、従業員6万人以上となる。DSVは16年の旧UTiワールドワイド買収で、フォワーディング事業では世界4位のポジションにあったが、その上のキューネやDBシェンカーとの差は大きかった。今回、航空・海上フォワーディングで物量を持つパナルピナを買収することで、規模感と購買力は大きく向上する。18年の航空貨物取扱量はDSVが68万9045トン、パナルピナが103万8700トン、海上がDSV144万2348TEU、パナルピナが148万4100TEUだった。

今回の買収について、パナルピナのピーター・ウルバー取締役会長は「取締役会の評価ではDSVの提案は魅力的だった」とコメント。「従業員の質、サプライチェーン・ソリューションの世界的大手プロバイダーとしての当社の地位、そして 航空・海上貨物における強力な競争力とノウハウを認識していた」上での提案内容が決め手だったことを明かした。またDSVのカート・ラーセン取締役会長は「統合により世界をリードするグローバルフォワーダーとしての地位が一層強化される。パナルピナは素晴らしい会社であり、才能あるスタッフを迎え、力を合わせて協力できることに興奮している」とコメントしている。

両社によると、既に8割の株主は買収に賛同しているという。そのうち69.9%分の株主からは確約の合意を得ている。今回の買収にあたっては、パナルピナの株式46%を保有するエルンスト・ゲーナー基金が反対していたことが障害となっていた。パナルピナはDSVの提案を受け、別の選択肢として中東大手物流企業のアジリティとの提携も模索したが、この提携を画策したのが同基金とされている。

だが、今回の発表では、同基金もトーマス・A・グッツウイラー評議員/独立パナルピナ委員会会長の名前で歓迎のコメントを寄せている。また株式交換により、同基金はDSVの株式約11%を保有する筆頭株主となる。DSVは同基金が推薦する1人を取締役に任命することでも合意した。グッツウイラー評議員は「現在進行している業界の再編や各種機会・リスクを踏まえつつ、心を開いてパナルピナのための様々なオプションを検討した。将来における市場課題に対処し、全ての利害関係者のための価値を生み出すためベストな機会を与えてくれるものだと全会一致で結論付けた」とコメントしている。


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