経営者インタビュー「物流最前線をみる」

営業所長の育成が急務。現場でモチベーション高める努力

経営者インタビュー ~物流最前線をみる(5)~
ILRS-NEWS Vol.451

 

株式会社サントス 山本秋彦 社長

― 御社にとって、最大の経営課題とは何か。

(山本社長)営業所長など現場の管理者育成だ。3年前から管理者の役割を明確にすべく、評価制度を導入した。所長として何をやるべきか、成果をもって評価するようにした。他社の事例はなかったので、初めはなかなか馴染まず生みの苦しみはあったが、徐々に浸透してきた。以前は営業所長が頑張っているから給与を上げてほしいというような話をしてきたが、今は評価がすべてなのでこうした話はしなくなった。ただ、無理な人が振るいにかかってやめてしまうケースも出ている。今は新陳代謝の時期なのか、じっくりと育てていかなくてはならない。

採用については、それほど困ってはいない。他業種で営業や接客をしてきた人を対象に採用していて、今年度約120人採用したうち残っているのは3分の1ほどだが、コミュニケーション能力が高く、顧客の信頼を得て売り上げ増につながっている。ただ、運転や荷捌きに慣れていないので1人前になるのはもう少し時間がかかる。また、やめる人を戦力化する手段を考えて少なくできれば陣容もさらに強化できるので、この点もなんとかしていきたい。

― 安全対策ではどのような対応をされているのか。

(山本社長)定期的に安全対策の講習を実施するほか車両メーカーや保険会社の講習、KYTでの情報収集、共有化、ドライブレコーダーの導入などいろいろな取り組みをしているが、ドラレコについては日本ではあまり知られていないが米国で開発された特殊な機器を導入していて、効果が出ている。ドライバーの脇見を察知するドラレコで、追突原因で最も多いとされる脇見をした瞬間のみ撮影でき、通常はプライバシーを侵さない。リアルタイムで管理者に送られてくるので、ドライバーが帰ってきた直後に教育にも生かせる。

当初、実験的にこれを5台に導入したが、1日平均50回脇見があった。タバコの火や物を取るなど本人は意識していないケースが多く、本人も知ることができて教育に大いに役立っている。コスト的に他機種とそう変わらない。当社320台のうち、現在70台にこのドラレコを導入したが、今後も徐々に増やして全車に入れていくつもりだ。

― 会社のポリシーとして経営上、大事にしていることは何か。

(山本社長)運送業の社会的地位の向上を企業理念に掲げている。運送業はけっこう重要な仕事をしているのに地位が低いのは業界的に見せる努力が足りないのだと思う。ただ、最近は人手不足で物流の対価が評価されてきており、ここで見せる努力ができれば社会的地位を向上できるチャンスだと思っている。現場のドライバーにこれをどうやったら実現してもらえるか。現場の従業員の幸福追求という意味で社員満足度(ES)をどう上げていくか、まずこれが大事だ。ES=CS(顧客満足度)である。そのためには高いモチベーションを持ってもらうことだ。

当社はリンク&モチベーショングループが実施する営業所ごとの全従業員を対象としたモチベーション調査を年2回行っている。営業所ごとにモチベーションが何点か数値化し、この数値を上げる努力をするよう営業所に課せ、それが所長の評価につながる。この中で当社岩槻営業所が今年3月、全国3万拠点の0.2%に当たる62拠点に与えられたモチベーションチームとしての表彰を受けた。所長が独自にアドバンテージを与えたり、情報を隠さず従業員に報告したり、モチベーションがひじょうに上がっていて、そういう営業所は活き活きとしている。

― 行政や業界に何か言いたいことがあれば。

(山本社長)業界の社会的地位の向上という意味で、いまは人手不足を背景に向上する時期にある。とっても重要な時期なのでトラック協会も旗振り役として活動をもっと盛り上げてほしい。業界の2代目、3代目の方は意識の高い人が多く、当社も独自に成功事例の横展開だけをするのでなく、力を合わせてやっていきたい。

(聞き手:葉山明彦)


株式会社サントス
東京都多摩市関戸6丁目4番地12 第一諏訪ビル3階

代表取締役社長  山本 秋彦
ホームページ https://suntos.co.jp/

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