経営者インタビュー「物流最前線をみる」

幸せ作れる会社へ改革継続。事故防止の体制作りを徹底

経営者インタビュー ~物流最前線をみる(6)~
ILRS-NEWS Vol.453

 

株式会社ウインローダー 髙嶋民仁 社長

御社にとって重要な経営課題は何か。

(髙嶋社長)働き方改革による労働時間短縮という大きな業界変革期において、弊社の経営理念でもある“社員の幸せづくりを行う”よい会社をどうつくっていくか。これがいまの最重要課題だ。

当社は4年前に運輸局と労働基準監督署の監査が入り長時間労働の是正勧告を受けた。それから36協定を順守する労務管理を進めたものの、労働時間が減ると給与も減ることになり退職者が出た。これでは“社員の幸せづくり”を行うという理念にはほど遠い。その後、36協定を順守しつつ労働時間に比例するのではなく、月ごとの支給額が年間を通して安定する給与制度改革に踏み切った。一方で、物流業界では働き方改革関連法案で2024年に残業が年間960時間を上限に規制されることになる。運送会社として全産業平均並みの給与水準を実現し、なおかつ、安心して長く働ける会社を実現するためにどう制度設計していくかという問題についてより深く考えなければいけない局面になっている。

以前に比べ時間短縮はかなり進んではいるのだが、社員の幸せづくりという観点では果たして本当にそれでよいのかという想いもある。当社は今年創立70周年を迎えるが、社員は20歳から70歳まで幅広くおり、それぞれ理念に期待がある。様々な価値観が混在する中、全員が相互に協力して稼げる体制を体感してもらうようじっくりと時間をかけて改革していくつもりだ。 

― 安全対策ではどのような対応をされているのか。

(髙嶋社長)関係先の安全講習や日々の点呼、点検はもちろんだが、ドライバーになる前にまず1年で安全対策11項目を習得するのを基本原則としている。ドライバーには人手不足のなかでもプロの看板である緑ナンバーを保持してもらうよう安全対策項目をしっかり履行実践してもらっている。仮に事故を起こしたら担当役員と現場長の3人面談による再発防止会議を経てもう一度安全対策11項目をクリアしてもらう。営業体制としては大型車と夜勤はあるものの、事故の多い長距離を避け、2トン車で三多摩地域の走行50~60㌔圏内を主にしている。

― 行政や業界に何か言いたいことがあれば。

(髙嶋社長)ある程度の規模の業者でも社会保険に加入していない会社がまだ少なからずあるようで、昨年7月に当局から改善基準違反の罰則強化が出たが、加入をもっと徹底すべきだ。また、経済産業省がシェアリングエコノミーで旅客のライドシェアを推進しているが、国土交通省管轄ではプロを任ずるグリーンナンバー制度がトラック、バス、タクシーにあり、貨客混載も含めてこの辺のグレーゾーンがどうなっていくのか関心がある。貨物業界にとってはドライバー不足を背景に料金を値上げする方向にあり、改善に向かってはいるがライドシェアほかの動きもあり、油断できない状況にあることには変わりない。

(聞き手:葉山明彦)


株式会社ウインローダー
東京都杉並区上荻2-37-7

代表取締役  髙嶋民仁 
ホームページ https://www.winroader.co.jp/

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配信頻度:隔週
物流会社がいま何を問われ、何を最重視して取り組んでいるのか。また、安全対策は…、社員教育は…。いま直面する問題にどのように対応しているのかを経営者に直接インタビュ-し、生の声をお届けします。

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