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東京港・城南島にストックヤード 五輪時の交通混雑緩和へ8月に試験運用

Daily Cargo  2019年6月25日掲載

 

東京都と東京港埠頭会社は8月、東京港・大井コンテナふ頭至近の城南島に、24時間利用可能なストックヤードを設置し、運用トライアルを実施する。来夏の東京五輪・パラリンピック開催時における臨海部の交通混雑緩和策の一環で、利用ルールや設置効果などを検証して大会時の運用につなげていく考えだ。オンシャーシ状態でコンテナ貨物を仮置きすることができる一時保管場所を作ることで、トレーラーヘッドを他の配送業務に回すことが可能になり、車両の回転率向上を図る。また日中にコンテナターミナルやバンプールからストックヤードへとコンテナを移し、交通需要の少ない夜間や早朝にかけてストックヤードから出庫することを促すことで、特定時間の車両集中を防ぎ、渋滞緩和を進めていく。

東京港では近年のコンテナ取扱量の増加と処理能力の限界により、港湾周辺の交通混雑が常態化している。東京都などは交通混雑緩和に向けた対策を進めており、2017年には大井地区で約180台仮置きできるストックヤードを設置。しかし、既にフル稼働となっており、来夏の東京五輪・パラリンピック開催時には大会関係車両の増加などにより、港湾周辺の交通混雑がさらに悪化する懸念があったことから、東京都は24時間利用可能なストックヤードの増設を検討していた。

今回新たに整備する城南島ストックヤードは、最大3台駐車可能な区画を84区画設定。最大で252台駐車可能となっており、利用料金は無料。東京港埠頭会社が運営する。同社は、一般貨物自動車運送事業の許可を受け、東京港を利用している運送事業者を対象に、7月19日午後5時までストックヤードの実証実験の参加陸運事業者を募集する。募集要項や申込書様式は東京港埠頭会社のホームページからダウンロードすることができる。申し込み先は同社営業企画部(メール=futo5@tptc.co.jp)。応募者多数の場合は抽選で参加事業者を決める。実証実験の実施期間は8月19日から30日まで。

東京都や東京港埠頭会社は、東京五輪・パラリンピック開催時における臨海部の交通混雑緩和に向けた施策を相次いで打ち出している。今月19日には「臨海部混雑マップ」を公表。大会期間中の臨海部主要道路の混雑予測を、「渋滞(時速10キロ未満)」「混雑(時速10~20キロ)」「空いている(時速20キロ超)」に分類して表した。今年度中には港湾周辺の道路混雑状況がリアルタイムで把握できるウェブカメラも増設する計画だ。詳細な情報や混雑予測を公表することで、早朝や夜間などへとトラックの走行時間を分散化し、渋滞の発生・悪化を防ぐ狙いだ。

また、ゴールデンウイーク前後にはコンテナターミナルのゲートオープン時間の延長トライアルを実施。早朝の利用が2倍になるなどの成果が確認できており、今夏にも再度実施する方向で調整を進めている。

ストックヤードについても今回は城南島に増設したが、今後、青海地区と中央防波堤外側地区での設置も検討していく。ストックヤードの一部は東京五輪・パラリンピック後も活用を継続する方針としており、将来の物流効率化と混雑緩和につなげていく考えだ。


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