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上海・浙江、春節さらに1週間延長 生産活動停止長引く、移動制限拡大

Daily Cargo  2020年1月29日掲載

 

中国の春節(旧正月)の延長が拡大している。同国・武漢(湖北省)で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、上海市と浙江省は、春節休暇後の企業の勤務再開を2月9日以降とすると通知した。中央政府による同2日までの延長よりさらに1週間長くし、両地域では少なくとも同9日まで生産活動が停止する。各地で道路や高速鉄道、長距離バスの運行制限・停止が広がり、人の長距離移動の規制で労働者の都市部への回帰は一層遅れそうだ。武漢・湖北省への物流はほぼ緊急物資だけとなり、日本からも関西国際空港―武漢で、航空輸送としてフォワーダー・チャーターの計画がある。

中国国務院は今週26日、春節休暇を同30日までから、来週2月2日まで3日間延長した。これにより、全土的な企業の再開は同3日となったが、今週26日夜時点で既に江蘇省蘇州市政府は、企業の勤務開始日を2月8日より先、学校の再開を同17日より先にすると通知した。

このうえで、今週28日午前までに、上海市、浙江省の両政府は企業の勤務開始日を少なくとも2月9日より先、学校の再開を同17日より先にすると通知した。両地域での企業の再開は、早くて同10日となる。さらに常州・無錫など江蘇省の別の市でも企業の勤務開始日を同8日より先にすると公布されたようだ。上海近郊の主要都市は、春節休暇を少なくとも同8~9日ごろまで総じて延長した格好だ。

中国国営CCTVは今週28日朝、中央政府として春節の再延長を検討する内容を報道した。今後、全土的にも春節のさらなる延長が図られる可能性がある。

在上海日本国総領事館によると、上海と各省をまたぐ国内移動を中心に、公共交通機関の一部区間で運行が停止された。上海では武漢方面からの高速鉄道の運行を制限するほか、江蘇省の都市に直通でつながる地下鉄11号線、長距離バスの市をまたぐ路線を運休、市内外を結ぶ高速道路などで検査が強化されている。周辺の浙江省や安徽省でも高速道路、一般道などで検査が行なわれ、省をまたぐ渡し船などが運休した。上海、南京(江蘇省)、合肥(安徽省)、南昌(江西省)などで、商業施設を含む公共エリアや公共交通機関でのマスクの着用義務化や着用要請が広がっている。また、同国鉄路局集団や民用航空局は購入済み航空券や鉄道のチケットの再度の無料キャンセル対応を公表した。

人の移動制限により、春節期間がより長くなった上海を中心とする華東地域の都市部では、春節明け後の労働者の回帰に一層の遅れが発生する懸念がある。春節が明けたとしても、労働者が帰省したままだと、休暇中の生産活動の停止の継続や、経済活動の再開の遅れにつながる。

武漢近郊の湖北省の都市の現地在住者によると、今週28日朝時点で「湖北省内の道はほぼ全て封鎖された」という。インターネットのSNSなどでは、街に人気のなくなった武漢の映像が流されている。

武漢・湖北省への物流は、医療面の救援物資と、封鎖された街に残る人々の生活用品の輸送に限られるようになったようで、現地紙は、快逓(小包や文書のエクスプレス)各社が両地域に続々と救援物資を届ける様子を報道している。別稿のとおり、日本でも、チャーター便で緊急物資の輸送が計画されている。


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