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世界のコンテナ港湾<20年1~3月実績> 新型コロナで減少相次ぐ 減便加速で先行き不透明

Daily Cargo  2020年5月1日掲載

 

世界の主要コンテナ港湾の今年第1四半期(1~3月)のコンテナ取扱量が出そろいつつある。2019年通年の上位10港における、今年第1四半期の実績の合計は前年同期比4.7%減の5678万TEUと減少した。地域によって大小はあるものの、総じて新型コロナウイルス感染拡大の影響が出た。第2四半期(4~6月)以降も、世界的な感染拡大により、コンテナ船サービスの減便が進んでいるほか、自動車産業など特定産業での操業停止や消費が滞っていることから、先行きは不透明となっている。

各国・地域の港湾当局などが公表した港湾統計を基に、本紙がまとめた19年上位10港における今年第1四半期のコンテナ取り扱い実績は表のとおり。首位の上海港をはじめ、10港中7港が減少した。19年11位のドバイ港は3.4%減の349万TEUとなり、ランク外となったが、同年12位のマレーシア・ポートクランは今月30日時点で第1四半期実績を公表していない。

新型コロナウイルスの震源地となった中国港湾は、青島港を除いて上位港湾が軒並み前年実績を割り込んだ。世界1位の上海港は昨年12月から今年3月まで4カ月連続の減少。特に2月は前年同月比約2割減とリーマン・ショック以来の2桁減となり、大幅に落ち込んだ。3月は10%減で、減少幅は縮小したものの、引き続き減少傾向にある。一方で、2位のシンガポール港は堅調に推移しており、1~2月時点では上海港を上回り一時的に世界トップに立った。3月までの累計では逆転されたが、上海港がこのまま減少が続けば、再び世界首位に立つ可能性がある。

中国港湾のうち特に振るわなかったのが華南港湾だ。深●港は11.9%減、広州港は10.3%減といずれも2桁減となった。19年通年ではそれぞれ4位と5位だったが、同年6位の釜山港に抜かれた。4位に浮上した釜山港は、全体で2.3%増の548万TEUと増加。主力のトランシップ貨物は4.1%増の293万TEUだった。日本発着貨物は微増の79万TEUで、内訳は、輸出入貨物が0.4%増の34万TEU、トランシップ貨物は0.3%減の44万7511TEUとなった。釜山港湾公社は今年の目標を2260万TEUに設定しているが、同目標は新型コロナウイルスの影響を織り込んでいないため、達成は難しそうだ。青島港も広州港を抜き、6位に浮上した。香港、天津は前年実績を割った。

欧州港湾ではロッテルダム港が4.7%減の356万TEUと減少する一方で、アントワープ港は9.5%増の302万TEUと増加した。しかし、両港とも、「第1四半期は新型コロナウイルスの影響は限定的だった」とする。ロッテルダム港湾局のアラード・カステレンCEOは「コロナ危機による需要減の影響は4月以降、明らかになってくる」とし、同港では足元で実施されているアジア-欧州航路における約25%程度の船腹量削減の影響が第2四半期に出てくると予測する。今後の展開について、「(ロックダウンなどの)新型コロナウイルスへの対策がいつまで実施されるか。また、どれだけ早く生産体制や国際貿易が回復するかにかかっている」とコメントした。

アントワープ港では、バルク貨物や完成車の減少をコンテナ貨物の増加で補った。アジア発着のコンテナは2.2%減と減少したが、その他の地域は増加し、品目別では医薬品やeコマース(EC)関連貨物が増えたようだ。アントワープ港湾局は、「コロナ危機の影響は第1四半期は限定的だったが、第2四半期以降は移動自粛の影響や、自動車産業などの大規模産業での操業停止、消費の減少などの影響が出てくるだろう」と予測する。

新型コロナウイルスの感染者数が世界最多となっている米国の港湾は第1四半期にも大きな影響が出た。米国最大のロサンゼルス港は18.5%減の180万TEUとなり、リーマン・ショック直後の09年の17.4%減を上回る減少となった。ジーン・セロカ港湾局長は「中国の生産体制は再開しているが、米国の小売り業者や荷主が受注を縮小しているため、荷動きは低調だ。公衆衛生上の危機の中で、世界のサプライチェーンは数カ月先まで不確実だ」とコメント。ロングビーチ港も6.9%減の168万TEUと前年実績割れ。マリオ・コルデロ港湾局長は「新型コロナウイルスはサプライチェーンに衝撃を与えており、米国経済全体に波及し続けている。サンペドロ湾での貨物の流れは確実に減少している」と現状を説明する。

アジア港湾では、ポートクランやタンジュンペラパス港などマレーシア港湾は実績を公表していないが、タイ最大のコンテナ港湾であるレムチャバン港は2.4%減の197万3926TEUだった。台湾の高雄港も1.5%減の252万TEUと減少した。


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