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人手需給に変化の兆し / コロナ後に増車を検討

TOP INTERVIEW(9)
ILRS-NEWS Vol.507

 

高梨運送株式会社 高梨社長

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で、御社が主力に取り扱う神奈川県下の食品物流マーケットの近況はいかがか。

(高梨社長)当社は冷凍食品や菓子、飲料などの食品関係を主に問屋、倉庫の物流を扱っており、いま最も忙しいスーパーマーケットやドラッグストアなどは取り扱っていない。荷動きは4月まで変化なかったものの、5月に入り多少動きが鈍っている。通販関係を扱う倉庫は注文が増えすぎて搬入を止めているというところもある。

― 現場での新型コロナ対策で新たに実施したことは。

(高梨社長)食品を扱っていることもあり、こちらから感染を出さないことに最も気を使っている。社内や車の除菌徹底はもちろん、マスクも一時入手がたいへんだったが家族分も含めて支給している。体温測定は、もとよりドライバーのアルコールチェックは吹き込み時のストローを使い捨ての紙製に変え、チェックをしている。これから緊急事態も解除される方向となろうが、元に戻るには1~2年かかるとみており、気を緩めず対応していきたい。

― 数ヶ月前までの人手不足感に変化は出ているのか。

(高梨社長)当社の場合は以前から人手がそう逼迫したことはなく、求人もこの1~2カ月出していなかったが、最近、求職者がホームページを見て応募してきた。求職者が自ら来るというのはここ何年もなかったことだ。また、ドライバーが採用を取り消されて他社に応募してきたという話も聞くので、需給に変化の兆しがみられるようになったと思う。

― 働き方改革や運賃問題などの課題は新型コロナで棚上げ感もあるが。

(高梨社長)働き方改革は休暇取得や時間短縮をどうやっていくか、再生産できる運賃が必要だが今は生産自体が上がらない状況にある。荷待ち時間も多少改善されてきたが、新型コロナ問題が落ち着くころにどうなるか不透明だ。運賃問題では運輸審議会が承認した標準的運賃について2トン車、4トン車で実態とかけ離れていると指摘されるのは、首都圏では荷待ちの時間が多いので時間制が採用されているのに対し、地方に多い距離建てで計算されているからだ。東京や神奈川では時間の割に距離は稼げず、時間制の標準的運賃を考えてほしい。

― 神奈川県トラック協会では交通環境委員会の委員長をされている。緊急事態宣言下で活動の近況は。

(高梨社長)委員会の主立った活動は、安全、環境に関する対策とこれらにまつわる助成金や補助金の支給、ドライバーや経営者の研修、交通安全教室や清掃活動等の社会貢献活動などだ。新型コロナウイルス問題が出てから研修や社会貢献活動等ができない状況が続いている。それでも3月までの前年度はほぼ予算通りにできたが、4月以降は当初2カ月間、研修や社会貢献活動はまったくやれておらず、再開のメドは立っていない。

― 最後にポストコロナ対応。新型コロナ騒動が落ち着いた後、新規の事業や投資で考えていることがあれば。

(高梨社長)昨年末の時点では、今年は車両を少し増やそうと思っていたが、新型コロナ問題でそれどころではなくなった。今は様子見だが、事態が落ち着けば増車していきたい。ただ、増車に伴い車庫も手当てしなければならず、必要コストはさらに増える。

(聞き手:葉山明彦)


高梨運送株式会社
神奈川県高座郡寒川町一之宮9-23-16

代表取締役社長  高梨信広
(神奈川県トラック協会交通環境委員長)

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私企業に加え団体でも活躍する物流経営者のインタビュー

 

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