PA 北米・欧州直航FP2が本格開始 サザンプトン・アントワープ直航に強み
Daily Cargo 2025年5月20日掲載
プレミアアライアンス(以下PA。オーシャン・ネットワーク・エクスプレス、HMM、ヤンミン・マリン・トランスポート)は、アジアを基点に北米と欧州を振り子で結ぶ日本発着コンテナ船サービス「FP2」を本格的に開始した。PAは既に、日本と欧州・北米を直航で結ぶサービス「FP1」を提供しているが、「FP2」の開始で欧州・北米を振り子で結ぶ日本直航便が2便に増えることになる。特に東京港と神戸港から英国・サザンプトン、ベルギー・アントワープへ直航で輸送できるルートが新たに誕生することになり、顧客の直航需要に応える。
「FP2」は1万3000TEU型コンテナ船で運航する。寄港地・ローテーションは、東京―神戸―上海―寧波―塩田―シンガポール―サザンプトン―アントワープ―シンガポール―レムチャバン―カイメップ―ハイフォン―塩田―バンクーバー―タコマ―東京。
PA加盟船社の1社であるONEによると、東京からサザンプトンまでのトランジットタイムは49日、アントワープまでは54日となる。ONEは従来、日本からサザンプトン・アントワープ向けの輸送はシンガポール接続でサービス提供していた。今回、直航便を開設することで、外地での積み替え遅延を回避し、より安定したサービス提供が可能になるとしている。今月から北米から日本への輸入船が寄港しているが、今週以降に欧州向けの輸送も本格的に開始する方針だ。
PAは日本マーケットにおいて、直航サービスを強みにしている。欧州向けでは、基幹サービスとなる「FP1」で清水・神戸・名古屋・東京の日本主要4港からオランダのロッテルダム、ドイツのハンブルク、フランスのルアーブルへの直航輸送需要に応えていた。「FP2」の開始によって、日本からサザンプトンとアントワープへの直航輸送にも対応できるようになる。
北米航路では、「FP1」でロサンゼルス、オークランドをカバーするほか、「PS3」でロサンゼルス、オークランドから東京への輸入需要に対応する。「PN1」ではバンクーバーとタコマの需要に対応しているが、今年から運航船を1隻追加投入し、スケジュールの安定化を図った。「FP2」においてもバンクーバーとタコマから東京、神戸への輸入需要に応える。
6月からはアジア―北米西岸サービス「PS5」を開始する方針だ。「PS5」の寄港地・ローテーションは、青島―寧波―ロングビーチ―オークランド―神戸―青島となり、神戸と米国西岸間の輸送需要に応える。6月5日青島寄港の「YM MOBILITY」からサービスを開始する予定だ。
近年はスケジュール遅延の常態化と、主要港湾における混雑悪化が発生するケースも頻発している。この結果、円滑なトランシップにも影響が出る事例も出ている状況だ。こうした中、プレミアアライアンスは引き続き強い直航需要に応えていく。
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