ルフトハンザカーゴ 新たな医薬品輸送サービス4種を発表
Daily Cargo 2025年5月26日掲載
ルフトハンザカーゴ(LCAG)は22日、医薬品向け温調ソリューションとして、新たに「ファーマ・コントロール・タワー」「サーモカバー」「スマートULD」を導入した。LCAGでは電源を搭載するアクティブ温調コンテナを利用する「Active Temp Control」および、非電源式のパッシブ・ユニットなどを使用する「Passive Temp Support」を、グローバルに展開している。今回のアップデートでは、このうちPassive Temp Supportを、緊急性の高い貨物向けの高速輸送商品「td.Zoom」でも提供可能となった。
ファーマ・コントロール・タワーは、4月末から開始したばかりの新サービスだ。フランクフルトミュンヘン、ブリュッセルのハブ経由で輸送される温度管理輸送貨物を、専門家チームが毎日24時間体制で監視するもの。輸送透明性と安全性が向上する。同サービス利用者は、世界30カ所の国際航空運送協会(IATA)の医薬品輸送品質認証「CEIVファーマ」認定拠点を発着するアクティブ、パッシブ貨物について問い合わせることができる。
サーモカバーは、貨物内部温度を一定に保つため、外気温に影響されないよう保護するために導入するもの。無料サービスとして展開する。パッシブ貨物を対象に想定するもので、、特別な保温カバーにより、ランプハンドリング中の熱気や冷気から保護する。まずは5~9月にかけ、フランクフルトーアトランタ、カイロ、シカゴ、トロント間を結ぶ路線のメインデッキおよびロアーデッキに搭載するパレット貨物で導入開始する。今後は、対象路線や時期の拡大を検討していくとしている。
スマートULDの導入では、最大限の透明性を確保し、コントロールするためのリアルタイムモニタリングを実現する。具体的には、特定のアクティブ・コンテナを対象に、温度変化に敏感な貨物の動態情報をリアルタイムに追跡するデジタルソリューションを提供する。スマートULDでは、コンテナ内のセンサーが継続的に温度データを記録し、配送から集荷までの完全な温度プロファイルを作成する。利用者は、LCAGウェブサイト上でこのデータを随時確認できる。
また、td.ZoomでPassive Temp Supportを利用可能にしたことで、医薬品、診断薬、バイオテクノロジー材料、ハイテク製品など、温度変化に敏感な貨物の輸送速度を最大限に高めた。LCAGは「この新しい組み合わせにより、重量制限のないネットワークで、迅速かつ優先的に輸送能力を確保し、最短の輸送時間を実現する」としている。
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