IAGカーゴ/カタール航空/MASカーゴ 今年後半に貨物JV開始へ、WFPと提携も
Daily Cargo 2025年6月5日掲載
英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)の貨物部門、IAGカーゴ、カタール航空カーゴおよびマレーシア・アビエーション・グループ(MAB)傘下の貨物事業会社、MASカーゴ(正式名称はMABカーゴ)は、同3社によるグローバル貨物共同事業(JV)を、関係当局から認可を取得し次第、今年後半に始動する計画を共同発表した。また、各社それぞれが国連世界食糧計画(WFP)と協定を結び、3社合計1000トン分の食糧物資輸送を無償で行うと新たに発表した。
2日、ドイツのミュンヘンで開催中の「エアカーゴ・ヨーロッパ」(6月2~5日)で、各社首脳が共同で会見した。
IAGカーゴ、カタール航空カーゴ、MASカーゴはこのグローバル貨物JVを通じ、アジア太平洋(APAC)、中東、アフリカ、インド亜大陸、欧州、米大陸を結ぶ路線選択肢の柔軟性、キャパシティ・オプションを強める。 この提携により、これまで1回の予約では利用できなかった新たなルーティングが可能になり、世界中で新たな貿易の機会が開かれることになる。まずは主要市場に重点を置き展開し、規制当局の承認が得られ次第、徐々に対象国を拡大していく予定だ。
また、今後は3社のシステム、プロセス、商材を順次調整し、顧客がスムーズに利用できるようにする。合理化された商品、サービス、強化されたデジタル・ソリューションなどを、将来的に、統合されたサービスに組み込んでいく。
カタール航空カーゴのマーク・ドゥルシュ・チーフ・オフィサー・カーゴは「3社が協力することで、比類ないサービスと効率性を提供し、最高の航空貨物ソリューションをお届けすることがで切るようになる。また、この提携を通じてWFPを支援することにより企業の社会的責任を果たす。それぞれの強力なネットワークを活用しあうことで、世界中の地域社会に良い影響を与えることで、パートナーシップの真の力を示すことができる」と強い期待感を示す。
IAGカーゴのデイビッド・シェパード最高経営責任者(CEO)も「単一のネットワーク構築により、新たな事業機会を引き出す新たなつながりが生まれる。このネットワークは、従来のインターライン協定で提供されるものよりも効率的で、信頼性が高く、協調的なものとなるだろう」とコメント。
MASカーゴのマーク・ジェイソン・トーマスCEOは「このパートナーシップは、世界の貨物業界にとっても大きな出来事となる。カタール航空カーゴおよびIAGカーゴと提携することで、世界各地をシームレスにつなぎ、われわれのリーチを拡大する。これは単なるネットワークの拡大ではなく、貨物の国際輸送を変革するものだ」とした。
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