AFKL スカンジナビア航空を子会社化 過半数株取得へ
Daily Cargo 2025年7月7日掲載
エールフランスKLM(AFKL)は4日、スカンジナビア航空(SAS)の過半数株式を取得する手続きを開始したと発表した。SASの持株比率を現在の19.9%から60.5%に引き上げ、子会社化する。26.4%は引き続きデンマーク政府が保持する。関係当局の認可などを条件に、2026年後半の取引完了を目指すSASはAFKLグループの航空会社となり、あらゆる事業分野が包括的に統合される。貨物でも統合シナジーが見込めそうだ。
現在、SASの株主構成は、キャスルレイクが32.0%、デンマーク政府が26.4%、AFKLが19.9%、リンド・インベストが8.6%、その他が13.1%。AFKLはこのうち、キャッスルレイクおよびリンド・インベストの保有分をすべて取得し、合計60.5%を保有する過半数株主となる。
過半数株取得後は、SAS取締役会の議席の大半はAFKLが占める。少数株主となるデンマーク政府も引き続き議席を保持する。
AFKLがSAS株19.9%を取得後、両グループ・航空会社間では、コードシェアやインターライン協定の拡大という形で業務提携を展開してきた。2024年8月末にはSASはそれまで加盟していたスターアライアンスを脱退し、翌9月1日付でAFKLが所属するスカイチーム・アライアンスに移籍した。
SASの保有機材は6月時点で138機。世界130地点に就航している。従業員数は1万500人。24年の売上高は約41億ユーロ(約6972億円)。同年の輸送実績を見ると、旅客数が2500万人、貨物が6万トン。
AFKLのベンジャミン・スミスCEOは「再建に成功したSASは目覚ましい業績を上げており、当グループへの統合を深めることで、SASの可能性はさらに大きくなると確信している。当グループの顧客、そしてスカンジナビアの皆様が、より良い接続性を享受できるようになる。また、SASチームが本来の地位に戻るために尽力してきた点においても、大きな利益をもたらすだろう。卓越性へのコミットメント、航空輸送のより持続可能な未来を目指す航空会社グループに、SASが加わる。この共通の旅の新たな章を楽しみにしている」と期待感を示した。
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