クアラルンプール空港で医薬対応強化 DHL・GF
Daily Cargo 2025年8月29日掲載
DHLグローバルフォワーディング(DHL・GF)は27日、マレーシア・クアラルンプール空港内の自由商業区域内に構える拠点での医薬品対応の強化について発表した。2~8度、15~25度の2温度帯の冷蔵施設を整備したもので、フォワーダーとして同空港に2温度帯の温度管理施設を構えたのは初という。国際航空(IATA)の医薬品輸送品質認証「CEIVファーマ」と、GxP(各種医薬関連法規制・基準)に準拠した自社グループで設定した「DHL Air GxP認証」も取得。医療医薬分野の顧客に対し、高品質な取り扱いとコンプライアンス対応を提供する。
同拠点は2023年に稼働しており、施設規模は3500平方メートル以上。整備した温度管理施設は2~8度が約50平方メートル、15~25度が約100平方メートル。EUパレットで計105基の保管が可能。また、220平方メートル以上の高セキュリティエリアも整備した。高度な監視システムも導入しており、リアルタイムで温度監視で実施し、データは1年間保存する。医薬品向けの除湿システムや、温度マッピングの機能も備えた。
オペレーション面では、毎年実施するトレーニングを修了した専任チームが貨物の取り扱いを行う。医療医薬貨物専門の通関サービスや、クロスドックサービスなどの付加価値サービスを提供し、24時間365日体制で運営する。冷蔵トラックでの輸配送サービスも提供し、コールドチェーンの完全性を確保するとともに、第三者への委託を最小限にすることで、リードタイムの短縮、セキュリティの担保につなげているという。
施設とその運営での環境対応にも優れており、施設自体が環境に配慮した資材で建設されている。電力面でも省エネ対応のコンプレッサーや低排出の発電機などを使用している。
DHLグループでは世界保健機関(WHO)の適正流通・保管基準に基づき、取り扱い品質とコンプライアンス対応の厳格性を確保するための基準として、DHL Air GxP認証を定めている。同認証を活用して医薬品を扱う航空貨物の拠点ネットワークを拡充しており、クアラルンプール空港での新拠点開設もその一環だ。補完的に外部認証としてCEIVファーマも取得し、客観性をもって品質を担保する。
DHLグループではアジア太平洋地域の拠点において、DHL Air GxP認証を37カ所で、CEIVファーマ認証を12カ所で取得している。
DHLグループではライフサイエンス・ヘルスケア分野の強化戦略を進めている。4月に、今後5年間で同分野に20億ユーロを投資すると発表。うち5億ユーロをアジア太平洋地域に充てるとしている。
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