カタール航空／菜鳥グループ　越境EC物流で戦略的提携を本格化

Daily Cargo  2025年9月18日掲載

カタール航空（QTR）貨物部門のカタール航空カーゴは10日、eコマース（EC）国際物流大手の菜鳥（Cainiao）グループと、既存の協力関係を強化、拡大する内容の戦略的提携を新たに結び、両者間の提携を本格化すると発表した。国際的なEC市場の成長に伴う、迅速で信頼性の高い国際物流に対する需要の高まりに対応すべく、国際接続力を強める。今回の新たな提携で、QTRは菜鳥向けに中国―欧州間の主要路線で週2便以上のチャーター便を運航する。

中国―欧州間のチャーター便の運航拡大により、中欧間の貿易・輸送効率をさらに高めるとともに、両地点以外の地域との間のEC貿易フロー強化にもつながると期待している。QTRは発表で「越境EC取引が拡大し続ける中、この戦略的提携はイノベーションを推進し続け、国際物流の新たなベンチマークを設定し続けるだろう」とコメントしている。

10日、杭州で開催された「Cainiao Global Smart Logistics Summit」での公式セレモニーで、カタール航空カーゴのマーク・ドゥルシュ最高経営責任者（CEO）と菜鳥のワン・リンCEOが正式に合意した。

カタール航空カーゴのドゥルシュCEOは「中国は世界的に最も重要な貿易相手国のひとつであり、EC市場の成長において極めて重要な役割を果たすとともに、航空貨物輸送能力に対する世界最大の需要を牽引し続けている。当社の強みである広範な国際ネットワークと最新鋭機を、菜鳥のEC物流リーダーシップに組み合わせることで、比類のない接続性、サービスを提供できる。今回の提携を通じ、世界のEC市場の急速に変化するニーズに対応し、世界で最も混雑し、最も戦略的な貿易ルートの1つで、われわれの存在感を強化する」と期待感を示す。

菜鳥のリンCEOも、今回の提携本格化について「国際物流網をさらに強化し、ワールドクラスのEC体験を提供する、という当社のコミットメントを強調するものだ」と歓迎。「2023年に海外向け5日配達サービスを開始し、業界の新たなベンチマークを打ち立てた。今回の戦略的提携は、商品競争力をさらに強化し、変化の激しい今日の商取引に求められる弾力性、速度、柔軟性を提供するための継続的な取り組みの新たな一歩だ。パートナーとともに72時間以内に国際配送を行う、というビジョンに向け、着実に前進している」（リンCEO）と力を込める。

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