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ハパックロイドCEO 週4000万~5000万ドルの追加コスト 中東情勢悪化で

Daily Cargo  2026年3月30日掲載


ハパックロイドは3月26日、記者会見と投資家・アナリスト向け決算説明会を開催し、ロルフ・ハベン・ヤンセンCEOがコンテナ船マーケットの見通しとハパックロイドの事業方針について説明した。足元では、中東情勢の悪化に伴い、「週当たり4000万ドルから5000万ドルの追加コストが発生している」と明かし、緊急サーチャージなどを導入することでカバーしていく方針を示した。

中東情勢の悪化に伴う追加コストに関して、ヤンセンCEOは、「主に燃料油に関するコストが大きいが、保険料も大幅に上昇している。保管に関する費用や、場合によっては内陸輸送費用も増えている」と説明。「コストを回収するために課徴金を導入しているが、コストの回収には時間差が発生するだろう」と述べた。

燃料油価格の高騰に加え、アジアでは燃料の供給不安も広がりつつある。一方でヤンセンCEOは、「潜在的な不足リスクがあることは確認しているが、アジアは当社にとって最大の燃料調達地ではない。状況は注視していくが、最悪のシナリオを想定した場合、当社は少し有利な立場にある」と説明した。燃料を節約するために減速航海を進める動きも出始めているが、ハパックロイドとしては「現時点では航行速度を変更していない」と明かした。「状況を注意深く監視しており、基本的には速度を上げ過ぎないように努めている」と述べた。

ホルムズ海峡の通航が難しくなっていることで、中東については陸上輸送による代替手段の確保に全力を挙げている。しかし、「陸上輸送能力には限界がある。緊急性の高い物資や重要な物資には対応可能だが、通常時の海上輸送による物量には対応できない」(ヤンセンCEO)状況だ。その上で、「現在発生している紛争は、世界的なサプライチェーンに大きな影響を与えたコロナ禍と比べると影響が限定されている。ハパックロイドとして、中東以外のネットワークは通常通り稼働できるように最大限の努力を払っている」とした。

今年2月に発表したZIMとの合併に関しては、4月30日に開催予定のZIMの臨時株主総会が一つの焦点になる。株主総会での承認に加えて、黄金株を所有するイスラエル政府や各国規制当局の承認を取得する必要がある。ヤンセンCEOは、「必要な承認を取得するためのプロセスを開始した。現在の中東情勢を考えると、手続きに少し時間がかかるかもしれないが、現時点では今年末までに必要な承認の取得を目指している」と話した。その上で、「当社がコンテナ船業界でトップ5の地位を維持する上で重要だと考えており、(ZIMとの合併によって)効率的な最新鋭の船舶や優秀な人材、顧客基盤へのアクセスを得ることが可能となる」とした。「力を合わせることで、最大5億ドルの相乗効果を生み出せると考えている」と述べた。

今期の長期契約交渉に関しては、「中東情勢が本格的に悪化する前に決着したため、交渉には大きな影響は出なかった。運賃は多少下落した部分もあったが、物量はほぼ同じとなった」と説明した。

コンテナ船の船隊整備に関しては、2027年から29年にかけて32隻・34万9000TEUの新造コンテナ船が就航する。内訳は1万6800TEU型のアンモニアレディLNG二元燃料船が12隻、9200TEU型のアンモニアレディLNG二元燃料船が12隻、4500TEU型のアンモニアレディLNG二元燃料船が8隻となる。このほか、用船で4500TEU型4隻と3500TEU型6隻、1800TEU型4隻を調達する。

温室効果ガス(GHG)の排出削減に向けては、バイオ燃料などを活用した低炭素化サービス「シップグリーン」の販売を加速する。2025年の実績は前年比90%増の38万TEU以上となり、3年連続で大幅増となっている。「今年はさらに拡大できると考えている」(ヤンセンCEO)。


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