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ゼネタ 長期契約運賃、通年5~15%上昇へ 中東情勢で予測を上方修正

Daily Cargo  2026年7月22日掲載

国際貨物の運賃分析などを提供するゼネタによると、2026年通年の航空貨物の長期契約運賃は前年比5~15%上昇する見通しだ。25年12月時点では5~10%下落すると予測していたが、2月末に激化した中東紛争による供給網の混乱を受け、上昇予測へと大幅に見直した。上期は航空貨物需要(貨物量)が前年同期比4%増えた一方、供給力は同1%増にとどまり、スポットと長期契約を合わせた世界平均運賃は同17%上昇した。需要面では、eコマース(EC)貨物が減速する一方、半導体など人工知能(AI)関連貨物が成長をけん引している。

17日、2025年12月に公表した26年の航空貨物市場予測を改訂した。通年の貨物量は、当初予測である前年比2~3%増のうち上限に近い伸びを見込む。一方、供給力の伸びは、当初予測の3~4%増から2~3%増に下方修正した。このうち下限に近い伸びになるとみている。

■世界供給力12%を喪失
予測修正の最大の要因は、中東情勢の悪化による急激な供給減だ。2月28日の紛争激化で中東の主要ハブ空港が閉鎖され、世界の航空貨物供給力の12%が一夜にして失われた。その後は運航再開などで供給力が回復しているものの、上期全体では前年同期比1% 増にとどまった。

一方、上期の貨物量は同4%増と、25年12月時点の通年予測である2~3%増を上回った。貨物量の伸びに供給の回復が追い付かず、スポットと長期契約を合わせた世界平均運賃は同17%上昇。5月の世界平均スポット運賃は同約40%上昇した。足元では上昇が一服しているものの、下落には転じていない。

26年通年では長期契約運賃の上昇を見込む一方、下期は貨物量の伸びが鈍化し、中東情勢の混乱で失われた供給力の回復も続くとみる。需給の差が縮小し、市況は荷主側に有利な方向へ傾く可能性がある。ただし、ゼネタのニール・ファン・デ・ウー・チーフ・エアフレイト・オフィサーは「新たな予想外の事態が発生し、中東紛争と同様、荷主にコスト負担をもたらすだろう」と述べ、警戒感を示した。

■AI伸長、ECは減速
需要構造では、AI関連貨物とEC貨物で明暗が分かれている。ゼネタによると、半導体や関連ハードウエアの輸送が拡大し、4月の世界の半導体販売額は前年同月比106%増と2倍超に拡大した。伸び率は、統計を開始した1986年以降で最大だったという。AI関連貨物が世界の航空貨物量に占める割合はなお10%未満だが、太平洋路線に集中しており、今年最も好調な路線となっている。

一方、中国発の低価格小口・EC商品の輸出量は5月に同7%減少し、6カ月連続で前年を下回った。欧州連合(EU)が7月1日、域外から輸入する150ユーロ以下の低価格貨物を対象に、1商品当たり3ユーロの暫定関税を導入したことも逆風となる。11月には、別途2ユーロの取扱手数料も導入される見込みだ。

ファン・デ・ウー氏は、近年の航空貨物需要を支えてきたECについて「航空貨物にとって最大の成長の柱だったが、もはやそうではない」と指摘。一方、AI関連貨物は特に太平洋路線で急増しているとの見方を示した。


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