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CUラインズ 規模拡大とサービス品質を両立 日本は新サービスで安定化

Daily Cargo  2026年9月9日掲載

CUラインズは近年、コンテナ船の運航規模とサービス網を急速に拡大してきた。2026年初に約3万TEUだった運航船腹量は現在、約10万TEUまで増え、インドや紅海、東地中海、アフリカなどの成長マーケットでもサービス網を強化している。日本市場も重要視しており、昨年は日本法人として海和海運を設立。今年9月からは日本と華南・海峡地を結ぶコンテナ船サービスを開始し、マレーシア・ポートクラン接続で日本―インド・中近東・アフリカ・東地中海間などの輸送ニーズに対応する。本紙インタビューに応じた朱駿(Steven Zhu)COOは、「プロフェッショナルで機敏性を備え、信頼性の高いコンテナサービスを提供する船社を目指す」と語った。

■新興市場に注目、独自性を追求
CUラインズは2005年に中国で設立されたコンテナ船社。上海を拠点としていたが、グローバル本社機能の一部をシンガポールに移管。現在は上海とシンガポールを重要拠点とし、コンテナ船事業を展開している。朱COOは、「シンガポールは事業拡大に向けた足がかりとして地理的に好立地にあり、中国との強いつながりもある。国際的で優秀な人材が揃っている点や文化の面でも非常に良い環境が整っている」と話す。

今後のコンテナ船サービス展開の方針については、「他のコンテナ船社とは一線を画す独自の価値を提供していく。特に新興市場でのサービス展開には自信を持っており、積極的に成長の機会を捉えていく。船隊の刷新やネットワークの拡充による相乗効果を生かしながら、プレゼンスを高めていく」(朱COO)考えだ。具体例として、同社が展開するアジア―地中海航路「AEM」はスエズ運河ルートで運航するため、競争力の高いリードタイムが大きな特徴となる。寄港地・ローテーションは、青島―上海―寧波―南沙―ジェッダ―(スエズ)―アレクサンドリアーアリアガーイスタンブール―メルシン―(スエズ)―ジェッダ―ポートクラン―青島。今年下半期には船隊を大型化する予定だ。同社は今年6月にトルコ法人を設立するなど基盤を強化しており、今後、トルコを核としてアフリカや東地中海のネットワークを拡大する考えだ。

太平洋航路に関しては、コロナ期にサービスを開設し、昨年も再参入したものの、状況変化を受けて現在は休止している。

日本市場は重要マーケットと捉え、事業基盤の強化を進めていく。昨年9月には自営拠点として海和海運を設立した。日本からアジア諸国や中近東、地中海、アフリカなどへの輸送需要に対応し、サウジアラビア・ジェッダ向けのサービスも継続している。朱COOは、「日本は当社の事業ポートフォリオにおいて極めて重要かつ戦略的なマーケットだ。日本の顧客の要求水準は高いと認識しているが、当社は日本の顧客に信頼できるサービスを提供できると確信している」と話す。

今年9月からはパートナー船社のONE社とのスロット交換を通じて、日本と華南・海峡地を結ぶ新サービス「JSM」を開始した。寄港地・ローテーションは、東京―横浜―名古屋―神戸―基隆―香港―ポートクラン―シンガポール―東京。ポートクランで同社のインド・中近東・アフリカ・東地中海航路に接続する。朱COOは、「これまでは華南接続で日本の需要に対応していたが、ポートクラン接続に変更することで安定性が増す。また、航海距離の長い直航便は港湾混雑の影響を受けやすい。日本―ポートクラン間とポートクラン―紅海間などのサービスを、ハブ港となるポートクランで接続することで、混雑や遅延の影響が他のサービスに波及するのを抑え、スケジュール順守率と運航頻度の向上を図ることができる」とアピールする。

■運航船隊が10万TEU体制に
CUラインズは、45隻・約10万TEUのコンテナ船を運航しているが、今後も運航規模を拡大していく方針だ。現在は中国造船所に対して、6400TEU型コンテナ船4隻と1930TEU型コンテナ船2隻を発注しており、2028年以降に就航する。新造船就航までの間も用船を通じて船隊規模を拡大していく。

朱COOは、「コストやサービス品質の面で競争力を維持・強化していくためには、さらなる規模の拡大が必要だ。加えて、当社はサービス品質も重視している。適切なコスト水準を実現しつつ、優れたサービス品質を提供できるよう、バランスを取っていく」と話す。

一方、現在の運航船は中小型船が多い。LNG二元燃料船1隻を除き、全て従来燃料船となっており、脱炭素化に向けた取り組みが今後の課題となる。朱COOは、「今後、大型船を建造する際には、国際海事機関(IMO)や当社のESG方針に合わせて二元燃料船を検討する。主要な燃料の選択肢としてLNGとメタノールを優先的に検討していく」とする。造船所の選定方針については、「プロジェクトに合わせて、技術力や納期の確実性、長期的なパートナーシップの価値を重視し、包括的かつ慎重な評価の上で選定していく」と説明した。

デジタル技術と人工知能(AI)の活用にも力を入れていく。具体的には、顧客管理(CRM)システムやeサービスプラットフォーム、社内連携ツールといったデジタルプラットフォームへの投資を進めてきた。加えて、カスタマーサービス支援や書類処理、従業員の生産性向上といった日常業務においてもAIの活用を進めている。朱COOは、「テクノロジーが顧客体験と業務効率の双方を向上させると考えている。今後はデータセキュリティとガバナンスを確保しつつ、営業、運航、バックオフィス業務において、AIの活用範囲をさらに拡大していく。よりスマートで迅速な対応を可能とし、顧客志向でサービスを展開するコンテナ船社を目指していく」と述べた。


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