物流なんでも相談所

新しい時代の物流業の在り方

2021年1月27日

物流なんでも相談所 Vol.21

 

2021年、新しい年の始まりは昨年から続くコロナウィルス感染拡大との闘いからスタートしました。首都圏他7府県でも緊急事態宣言が行なわれるなど、今年の行方が難局を予測させるものばかりですね。昨年の開始早々、パンデミックの嵐に見舞われた我々は、それ以降、経験したこともない様々な変化を目のあたりにしてきました。働く環境においてこの変化を表現するならそれは「加速」かもしれません。既にあったものが以前に比べ、とても速いスピードで応用され各現場に合った形で実現しているのです。その一つが「リモートワーク」でしょう。世界でも古い歴所を持つ多くの伝統的な企業がパンデミック宣言以降72 時間も経たないうちにオフィスでの勤務から在宅体制へと移行しました。リモートワークを実施する上で、多くの企業が重視したことは「事業の継続」と「業務効率化」です。これらの実現には、加速する環境に素早く対抗できる柔軟な組織やコミュニケーションが必要でした。

「リモートワークでいちばん見えなくなるのが、人と人との関係だ」とは立教大教授中原氏のことば。2020年変化を余儀なくされた働き方は、2021年以降も少しずつ形を変えながら我々にその対応を求めてくることでしょう。コミュニケーションがオンライン化したことで、これまでとは異なった意味での関係性構築が課題となり、「チームをどう動かすべきか」、「職場での人の束ね方がわからない」といった課題を感じている管理職者も多いのではないでしょうか。今後働き方がどう変わるのか、その変化に対して企業やチームのリーダーができることは何かについて、企業のビジネスリーダーと話す機会も増えましたが、ひとつ確かなことはこの経験で培った困難からの回復力は、今後の仕事人生と部下指導に大きく貢献する、ということでしょう。

具体的に物流業界でのオンライン活用はどのように進めていけば良いのか、またそれは可能なのか考えてみることにしましょう。物流業でも一部業務によってはオンラインでのリモートワークも可能ですが、輸配送やセンター業務など多くの現場では、残念ながらそう簡単ではありません。ロボットなどのIT化を推し進めてきた一部大手ではセンター内作業をリモートでコントロールできる設備もすでに導入済みですが、多くの制約も付きまとう苦境の現状にあっては新たな設備投資に資金や人手を投入することも困難です。ただZOOMなどを活用した社内外での打ち合わせや会議は頻繁に開催されるようになってきましたので、これを前向きにとらえ、リモートによるコスト削減の意義を実感しながら、IT化による好変化を受け止めていただきたいところです。実際データベース構築も加速し進むなどこれまで経験と勘に頼りがちだった物流業でもAIやIOTなど様々な有効性が立証されつつあります。

年が明けると企業年度の終わりに近づいて参ります。ほとんどの企業で予測と実績が大きく乖離したであろう今年度は、おそらく中途で幾度も目標や予算を立て直したという業者の方も、多かったのではないでしょうか。同じ災害でも、その影響が長期間鈍痛のように続く今のこの状況は、まさに未経験の苦しみです。しかし企業として、今後も着実に成長していくためには、現実から目をそらさず冷静で正しい対応を続けていく必要があります。顧客の業績や来年度の生産・販売計画を基にした自社の次年度計画と予算立てを、年明け早々考え始めておくべきでしょう。すでに中長期計画に関しては、半期・四半期で見直しをかけておられると思いますが、あらためて新年度予算を立てる際はあらゆる状況変化を考慮しつつ、各部門が達成できる目標や数字を予測し、予算と連動させておくことを忘れないでおきましょう。喜びや達成感を味わうことが何かと少なくなっている今、せめて経営計画に基づく目標と予算を正しく予測しておくことで、これ以上負の見直しをしなくて済むようにしたいもの。

はからずもひたすら我慢の継続となってしまった2020年から引き鶴コロナとの歩み。あせりや、はがゆさはあれど、辛さを乗り越えようとする同胞の数はこれまでで最も多い気もします。ほどなく訪れる新春を、今度こそ本物の春にするため、皆様共に力を合わせ、今しばらく耐え続けていく決意を固めて参りましょう。

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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