Daily Cargo 編集長のこの1本!

LA港 3月は5%増の78万TEU 5月から減少へ、下期は最低10%減も

Daily Cargo  2025年4月15日掲載


米国ロサンゼルス(LA)港の3月のコンテナ取扱量は、前年同月比4.7%増の77万8406TEUとなった。過去5年平均との比較では4%増となった。ロサンゼルス市港湾局が米国現地時間11日に発表した。4月予想は80万TEU程度と堅調に推移する見通しだが、その後は米トランプ政権による大幅な追加関税施策の影響で減少する見通しだ。ジーン・セロカ局長は同日開催したメディアブリーフィングで、「減少は5月から始まる可能性がある。7月から年末にかけてコンテナ貨物量は少なくとも前年と比べて10%減少すると予想している」と説明した。

3月のコンテナ取扱量の内訳は、実入り輸出が15.0%減の12万2975TEU、実入り輸入が1.6%増の38万5531TEUだった。実入り輸出は前月比では増加したものの、前年同月比では今年に入ってから2ケタ減が続いている。実入り輸入は関税引き上げに備えた前倒し出荷により、プラスとなった。空コンテナは23.2%増の26万9900TEUとなった。特にアジアへの空コンテナの回送が増えた。

これにより、1~3月累計のコンテナ取扱量は、前年同期比5.2%増の250万4049TEUとなった。1~3月期としては、コロナ期に需要が大幅に増えた2022年と21年に次ぐ過去3番目に多い水準となった。このうち実入り輸出は14.5%減の34万5402TEU、実入り輸入は4.3%増の128万2598TEUとなった。コンテナ取扱量は増加しているが、足元ではターミナル運営の効率化を図り、鉄道への接続時間が減少するなど、混雑状況は改善しているようだ。セロカ局長は、「第1四半期(1~3月)を通してコンテナ取扱量は堅調に推移し、過去20カ月のうち18カ月で前年同月実績を上回った」と説明した。

4月の予想は80万TEU台を見込む。コンテナ船サービスの追加に加え、関税導入前の輸入需要もあるため、堅調に推移する見通しだ。通常は今後、春夏ファッションや新学期に向けた貨物需要が伸びていく時期となるが、関税政策の影響で前倒しされる。セロカ局長は、関税政策の影響で5月にもコンテナ輸送量が減少し始める可能性を指摘しており、「過去9カ月間に米国に輸入された大量の在庫に加え、(関税による)価格上昇が消費者の躊躇を招いているため、7月から年末にかけては前年比で最低10%は減少するだろう」と予想する。

トランプ政権は先週、相互関税施策に関して、中国を除き90日間の一時停止を発表した。セロカ局長は、「明るい材料ではあるが、一時停止は(完全な)停止ではなく、企業と消費者は依然として大きな不確実性に直面している」と話した。中国に対しては145%の追加関税を課したが、「(中国からの輸入は)ロサンゼルス港のターミナルを通過する輸入品の約40%に相当する。中国から購入するあらゆるモノのコストは約2.5倍に上昇する可能性が高いだろう。特に懸念しているのは貨物を前倒しで輸入できず、今後の価格上昇に直面する中小企業だ」と述べた。


国際物流のニュースを毎日お届け!
⇒ http://www.daily-cargo.com/

Daily Cargo 編集長のこの1本!

当社へのお問い合わせはこちら