ロサンゼルス港 新CT造成へ事前提案募集 需要増に対応
Daily Cargo 2025年10月3日掲載
ロサンゼルス市港湾局は、ロサンゼルス港のピア400の隣接地に、新たなコンテナターミナル(CT)「ピア500」を造成する方針だ。1日、新CTの事前開発事業への参加希望者に対して提案の募集を開始した。来年1月29日まで提案を受け付ける。選定された事業者は、ロサンゼルス市港湾局と官民連携による事前開発契約を締結し、提案プロジェクトの財務的実現可能性の調査や各種許認可の取得、プロジェクトの実施・拡張前に必要なその他要件の処理を行う。
ロサンゼルス市港湾局のジーン・セロカ局長は、「ロサンゼルス港は数十年後のグローバルサプライチェーンの需要に対応するため、一世代ぶりに新たなCTを建設する計画を立てた」とコメント。新CTについて、「可能な限りクリーンなターミナルを開発することで、効率性と持続可能性を高めるとともに、地域社会に新たな雇用を創出していく」とした。
ピア500の造成計画によると、約200エーカー(約81万平方メートル)の敷地に約3000フィート(約914メートル)の2バースを整備する予定。現在、APMターミナルズが運営しているCTがあるピア400の隣接地に造成され、ターミナル島の南端に位置する。より大型となる次世代コンテナ船の受け入れにも対応する方針だ。ピア500プロジェクトは本格的な運用開始まで約10年かかると予想されている。
ロサンゼルス港は北米最大のコンテナ港湾となっており、近年は年間1000万TEU前後を取り扱っている。増加する貨物需要と船舶の大型化への対応を進めており、今回新たなターミナルを造成することになった。また同港では、アクセス道路であるヴィンセント・トーマス・ブリッジの老朽化対策を進めているが、ロサンゼルス市港湾局は嵩上げ計画の実行を州政府などに求めている。嵩上げを通じてエアドラフト制限を現行の185フィート(約56.4メートル)から211フィート(約64.3メートル)まで引き上げることができれば、橋の北側に位置するWBCTとTraPac、YTIの3ターミナルにおいても2万3000TEU級の超大型コンテナ船に対応できるようになる。同港の全てのCTで超大型コンテナ船を受け入れられるようになり、船社の利便性が向上する。
国際物流のニュースを毎日お届け!
⇒ http://www.daily-cargo.com/
