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SPI 中国市場に参入、越境EC取り込みへ 上海・浦東で貨物業務開始

Daily Cargo  2026年6月8日掲載

スイスポートインターナショナル(SPI)は3日、上海・浦東国際空港(PVG)の新上屋「デジタル・インテリジェント国際貨物ターミナル」で業務を開始した。PVGは香港に次ぐ世界第2位の航空貨物ハブ。今回の業務開始は、中国のSmarexと2025年10月に締結した提携契約に基づくもの。SPIは創業30年を迎える今年、PVGでの業務開始を中国市場への戦略的参入と位置付ける。急拡大する中国発越境eコマース(EC)貨物を、同社のグローバル貨物ネットワークに取り込む。

Smarexは、上海空港グループの物流開発会社AVINEXロジスティクスと、中国東方航空物流による合弁会社。今回の提携では、Smarexの中国市場での物流基盤や現地運営機能に、SPIの国際航空貨物オペレーションのノウハウとグローバルネットワークを組み合わせる。SPIはPVGを、同社ネットワーク全体に展開可能なスマートターミナル運営のモデルケースと位置付ける。

PVGでのオペレーションでは、高度な自動化設備とインテリジェントシステムを活用し、貨物の処理状況や設備稼働をデジタル上で一元管理する。これにより、リアルタイムのオペレーション管理を実現し、可視性と効率性を高める。施設は全電化されており、SmarexとSPIが進める持続可能なグランドハンドリング業務への取り組みも反映した。

SPIのワーウィック・ブレイディCEO兼社長は、「PVGでの業務開始は、当社にとりアジア、そして世界全体における重要な節目だ」と述べた。SPIのグローバルネットワークと運営ノウハウに、AI対応の先端インフラやSmarexの高度な機能を組み合わせることで、「インテリジェントでハイテク、持続可能な航空貨物オペレーションの未来を切り開く」(ブレイディCEO兼社長)とした。

◆複雑化するEC需要に対応
SPIによると、中国は世界最大のEC市場で、小売EC売上高は世界のオンライン取引の45%以上を占める。海外での中国製品需要の拡大に伴い、中国発の越境EC貨物も増加が続く。これに対応するため、迅速な通関、高速仕分け、国際ネットワークへの接続性を備えた航空貨物インフラの重要性が高まっている。

PVG新上屋の総面積は14万4000平方メートル。越境EC貨物の急増に対応するため、検査・通関手続きを前倒しで行ったうえで配送工程に移す「inspect-first, then-deliver」型の運用モデルや、4本の循環式仕分けライン(ループライン)による高速自動仕分け機能を備える。

温調施設は1万5000平方メートルで、マイナス60度からプラス25度まで対応する。医薬品や生鮮品向けに、厳格な取り扱い基準と24時間365日の監視体制を整える。

SPIのアジア太平洋地域CEOを務めるブラッド・ムーア氏は、PVGの年間貨物取扱量が約400万トンだとしたうえで、同空港がSPIのグローバルネットワークに接続されることで、主要トレードレーンでの接続性と効率性が向上し、今後数年間で関連貨物量は8~10%程度増加するとの見通しを示した。

SPIは現在、49カ国・312空港に拠点を展開する。PVG発ではニューヨーク、マイアミ、リエージュ、チューリヒ、アムステルダム、英国方面などへの貨物を想定する。PVG新上屋とSPI拠点間のネットワークを利用することで、従来ルートと比べ、主要市場への到達時間を最大2日短縮できるという。


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