物流よろず相談所

儲かる物流業となるには②

2026年8月5日

『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志


◆その1はこちら⇒ https://www.e-butsuryu.jp/?p=5982

物流業界は今、かつてないほど深刻な人手不足に直面しています。2024年問題(働き方改革関連法による時間外労働規制)を契機に、現場の逼迫は一層加速し、従来の働き方では対応できない状況が続いています。特に、配送ドライバーや倉庫作業員といった現場労働力の不足は深刻であり、企業にとって経営課題の一つとなっています。物流業における人材不足は年々悪化の一途を辿っているのが現状です。求人募集に対して応募者が少ないのは業界自体の長時間労働のわりには、収入面でも十分ではない、とこういった経営体制が世間に広く知れ渡っているからに他なりません。創業者が自ら運転して営業に回って仕事を取って来た時代とは異なっているのです。創業当初からの経営体制では収益性を上げる事は非常に厳しくなっています。経営体制の抜本的な改革が必要なのです。

また経営体制については業界の特徴として良く言われるのが2代目社長の割合が多い事です。創業者から受け継いで2代目となり経営体制をより強固にしようとの努力が先代からの経営方針を新展開へと変革しにくくしている状況も有るようですが、収益を上げる体制作りに必要なのは、時代に即した事業の再構築、経営体制の見直し、運営方針の改革なのです。ドライバー不足と物流量の動きを同期化することが必要となっています。業界事業の置かれている現状の認識と事業所、現場の実態把握についてお話して来ました。簡潔に言えば、経営者の意識や考え方を変えて事業を見直すと言う事が大事です。

最も重要な事は時代の急激な変化です。運送業界自体の業務形態も変化せざるを得ない状況に至っていると言っても過言ではないでしょう。運送業は最早物品の運搬、運送だけやっていれば良い業態では無く、もっと広く大きい流れの中から誕生してくる物流サービス業態と言う業種に広がって行く波が来ているのです、運送業では無く物流サービス業へと変革が進展して行けば、収益性を伸ばし会社を発展させて行く事業チャンスも大きく広がって来ることになるでしょうか。そのためにはまずは顧客である荷主ニーズに対応した物流サービス構築が必要です。人手不足を補うには属人化した仕事のやり方を標準化し、だれでも運用出来る体制を構築することが必要となってきます。コンピューターやインターネットの発達により私達の生活も変化して来ました。様々な業態で無駄を省き効率の良い業務を推進するための仕組み作りが進められてきました。どの工程をどの程度改善すると何パーセントの効率化が出来る、と言う具合に具体的な数字をシミュレーションして収益性向上の為の方策を策定して実行に移して行く取り組みです。その中心となる幅広い視野を持った有能な人材を育てて行く事が、今最も重要な事では無いでしょうか。事業の中心となる人材の成長こそが会社の成長そのもの、現場力を高める事に成るのです。様々な課題に直面している今だからこそ将来の成長を見据えて、ドライバーを含めた有望な人材の育成に力を注ぐ時なのです。経営者は物流業界の流れを読み、運送事業者が担当出来るあらゆる可能性を検討します、そしてそれを具体的方策として実行して行く人材を育成していきます。育成された優秀な人材は各事業の中核となって新方策を推進して行くことが可能となります、こうして現場に即した効率の良い収益性の高い事業として成長して行き、収益拡大を可能とする会社となるのです。現状認識、実態把握、効率化の為の方策の策定と実行、人材育成等を推し進めて新しい物流業態の流れを作っていく必要があるといえるでしょう。

運送業で一番の鍵となるのがドライバーです。いうまでもなく運送業はドライバーの確保に苦戦しています。厚生労働省が発表した2019年1月のトラックドライバーを含む自動車運転者の有効求人倍率は、3.03倍となっています。全業種の有効求人倍率が1.59倍であることを考えるとかなりドライバー不足が伺えます。このような状況からドライバーをいかに確保するかその力が必要となってきます。しかし、ドライバーを確保するための方法を模索・実践・検証をしている企業が少ないのが現状です。求人情報に掲載されている基本情報だけでは情報不足により企業が求めている人材が応募に辿り着かない事がしばしばあります。長く働く事を前提にワークライフバランスや、仕事に従事する上での将来像をイメージするための情報掲載することが必要なのです。そうすることでその企業に合った人材が手に入りやすくなります。SNSなど活用し、実態に合った人材確保に努めていきたいものです。

既存のドライバーの役割を単なる運転手とだけ捉えていて会社の発展は有り得ません。荷主や顧客と接する機会がもっとも多い業務がドライバーですから、いわば会社の顔とも言えるでしょう。日々接する荷主や顧客に先程お話した流通関連業務の一括代行や施設共同利用など会社の新事業の営業を担ってもらうのです。併せて周辺地域の市場開拓などを積極的にアプローチしてもらうのです。

新規開拓の最前線で活躍する、それが新しいドライバーの業務になるわけです。いうなればスーパードライバーとでも呼びましょうか。この次世代のスーパードライバーは会社の顔として第一線で営業活動を展開します。第一線で活躍出来るまでの教育と育成、研修がとても重要になります。ドライバー職は人とあまり拘らないから好きだと言う方も多いでしょうが、物流新時代のスーパードライバーは優秀な営業マンで有り、社会の流通インフラを守る重要な職務に就いている責任感と誇りを持てる素晴らしい職業として新たに社会に認識されるようになるのです。その為には運送事業者、業界が一体となって人材の育成システムの構築に力を尽くす必要が有ります。

著者プロフィール

岩﨑仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

得意分野

  • 3PL
  • マーケティング
  • ドライバー育成
  • 人材教育
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