現場力の高め方
2026年10月7日
『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志
物流業において、生産性を高め収益を確保して行くには高い現場力が必要です。それではどうやって現場力を高めていけば良いかを考えて参りたいと思います。特に現在の物流業では、人手不足が深刻なため、「教育」「多能工化」「デジタル化」の3つを同時に進める企業ほど競争力が高まります。物流業で「現場力」を高めるには、現場で働く人が 安全・品質・生産性を継続的に向上できる状態を作ることが重要です。まずは現場の状況の見える化、誰でも現場の状況を把握できるようにしましょう。具体的には入出荷件数、作業進捗状況、誤出荷件数、在庫差異、残業時間、事故・ヒヤリハット件数などを日次で共有し、問題の早期発見に努めましょう。
次にIEを活用し、標準作業時間、標準作業手順の徹底を図ることです。ベテランの経験だけに頼らず、作業手順書の整備、動画マニュアル化を進めることで、誰が、誰が作業しても同じ品質になる仕組みを作りましょう。当然作成したマニュアルは新人教育プログラムとしても活用できます。
現場力を高める上で、日々の改善欠かすことはできません。現場力の高い物流企業は改善提案が活発化しています。例えば移動動線の短縮、棚配置の見直し、ピッキング方法の改善、荷待ち時間の削減など、業務に役立つ改善を日々進める習慣化が重要です。
次に進めたいのがスタッフの多能工化です。言われたことだけを仕事としていると、仕事の内容が限られ、スタッフ配置が難しくなります。ドライバーでも多くのコースや多様な車格を扱えることで、柔軟な配車を組むことができるようになります。また、センターで働くスタッフでも多様な現場仕事をできるようになると人員の流動性も高まり、適切なスタッフ配置が可能となることで生産性も高まります。また、多能工化が進むと、特定の人にしか出来ない作業が減り、入荷、保管、ピッキング、梱包、出荷など複数工程を担当できる人材を育成すると、繁閑差への対応力が向上します。
現場力を高める上で、IT活用、デジタル化も導入するべきです。もちろん人手不足対策としても大きな効果があります。WMS(倉庫管理システム)、ハンディターミナル、RFID導入、AI需要予測、配車管理システムなど積極的な導入が望ましいと言えるでしょう。デジタル化を促進することで、作業の属人化を防ぐことも可能となります。
現場において指導にあたるリーダー育成は重要です。現場力は管理者の力量に大きく左右されるからです。現場リーダーが部下に対して適切な段取りができているかどうかで、現場の成果は大きく違ってくるからです。部下に業務内容、本日の目標、そして取組むべき重要課題など理解させているでしょうか?今一度振り返っていただきたいと思います。現場リーダーには、問題発見力、コミュニケーション力、指導力そして大事な数値管理力を身につけてもらう必要があります。なぜならば物流のプロフェッショナルにしか物流のプロは育成できないからです。プロフェッショナルは何が必要かを自分で考え、正しい選択ができる、特に顧客にとって有効な提案もそのニーズから読み取ってアピールすることができるようになります。その現場のプロを育成する上でリーダーは大変重要な役割を担っています。プロを養成するには、まず自分で何をどうすれば良いのか、考えさせる事を習慣化させることが重要です。部下に考えさせる習慣を作らせるには質問活用が有効です。普段からマネジメントを意識した自然な会話の中で、質問活用しながら自分の力で答えを導きださせよう指導して生きましょう。
最後に現場における荷主信頼の基礎となる安全・安心のサービス展開です。 安全第一の文化づくりが重要です。物流現場では安全が最優先です。そのために普段から安全推進活動が展開されておらねばなりません。例えばフォークリフト事故防止、KY活動(危険予知活動)、ヒヤリハット共有、定期安全パトロールを継続的に実施していきましょう。
物流業において確実な収益を確保して行く上では、他社に負けない現場を持つこと、現場力向上は必須と言えるでしょう。現場力 = 人材力 × 標準化 × 改善力 × 安全文化 という公式が成り立つことを忘れないでいただきたいと思います。