徒然日記

「海の日」からの脱線

2019年7月3日

『徒然日記』 

 

今年の「海の日」は、7月15日です。3月20日(第447号)の「記念日は誰が決めてる?」で、【<“海”応援団>から、「なんで、海の日が『移動祝日』なのに、『山の日』は固定なんだ!」という声が上がっていますが、私は「“海”は動いている(波や干満)けれど、“山”は動かないから、良いではないか」という珍説を考えました・・・?】と書きました。現在、離島の所属権や排他的水域などで大もめしていますが、我が日本国は、国土は世界の61番目に過ぎませんが、排他的水域はなんと世界の6番目。双方合わせると、世界の9番目という<大国>です。そこで、今回は<海>について考えてみたいと思います。(こじつけ?)

私が,生まれて初めて“海”を知ったのは、百年とまでは行きませんが、“遙かなる昔“。3歳くらいの時です。自分の記憶にはないのですが、従姉の住んでいた鎌倉に行った時に、「材木座海岸」だったと思いますが、生まれて初めて“海”を見ました。後年、その時に案内してくれた従姉が言うに、「あなた、海を見て、しばし呆然として、直立不動姿勢で、固まっちゃっていたのよ」ということでした。多分「初対面の“海”という生き物と、押し寄せる波の不可思議さに、茫然としちゃっていた」のだと思います。

初めに白状しておきますが、そのことが遠因なのでしょうか、私は“海”に「異常な思い入れ」を持っていて、メールアドレスが<umidaisuki・・・>なのです。東京生まれの東京育ちで、現在は横浜暮らしですから、近くに海があります。日本の47都道府県の中で、海に面していない県は8県(都・道・府はすべて面している)ありますが、「海を見たことのない方」って皆無だと思います。遙か昔、例えば東北の山の中で暮らしていて、海を見ることなく一生を終えた人が居たそうです。そのような方が、3歳児の私のように初めて海を見たとしたら、どのような思いがしたでしょうか。

昭和の終わり頃、いわゆる「ウォーターフロント・ブーム」がおきて、水辺の倉庫などが、ディスコやレストランでとして大賑わいした頃、私の所属していた会社がある「天王洲アイル」では、地域開発が進んで、大変身しました。そのための勉強として、「ウォーターフロント・ブーム」の先駆国アメリカ、サンフランシスコの「フィッシャーマンズ・ワーフ」を視察したことがありました。マーケット・ストリートの丘から「歴史的な路面電車路線」(Fライン)でくだった『フィッシャーマンズ・ワーフ』は、大勢の人であふれていました。「特に目新しいものがないのに何でこんなに人が居るんだろう?」と不思議に思っていましたが、私なりに理解しました。アメリカは国土が日本の24倍あるのに対して、海岸線はわずか0.67倍に過ぎませんから、「海そのもの魅力」に引きつけられて、多くの人が訪れるのではないかと、勝手に合点しました。ちなみに、アメリカと同程度の国土を持つカナダは、日本の6.8倍の海岸線を有しています。北極海に面していたりして、海水浴はできないのではないかと思っていましたが、バンクーバー周辺などにはいくつもの有名海水浴場があるそうです。

最近の話題として、若者の「車離れ」「スキー離れ」等とならんで「海離れ」も進んでいるそうです。冒頭に書いた「材木座海岸」はどうなっているのでしょうか。「寄る年並み」で、最近は水泳はやっていませんが、数年前までは、近所の横浜国際プールで、毎週2kmほど泳いでいました.さらにそれより若い頃は、夕方人が居なくなった海で、夕日を浴びながら泳ぐのが好きで、「これなら何キロでも泳げる」と水泳を楽しんでいました。

ところで、海水は「浮力があるからプールよりも楽に泳げる」と思っておいでの方は多いと思いますが、海水の浮力は、真水に比べて<1.03倍>だそうです。「たった3/100でそんなに違うの!?」と思いますが、いかがでしょうか。浮力というと「死海」を思い浮かべますが、こちらは<1.2倍>だそうですので、わかる気がしています。

“浮力”は「中学一年の理科」の学習レベルだそうですから、ご興味のある方は、その年齢にタムスリップして学んでください。

話しを元に巻き戻します。 <umidaisuki>が、どうして“水泳”をやめてしまったのかを白状しますと、「ダイビングにシフトしてしまった」からなのです。「シュノーケリング」という水面または比較的浅い水中を游泳するマリンスポーツがあります。マスクをつけて海の中を眺めると、魚や珊瑚礁が見られます。それは新たな発見なのですが、それよりさらに深く潜ると、そこに“別世界”が開けます。

生まれて初めて「グランドキャニオン」に行ったとき、あの想像を絶する光景を目の当たりにして、人生観が変わった思いがしましたが、<海>も、20m→30mと潜ると、地上にいては想像できない“神秘的な世界“が展開されてきます。起伏に富んだ海中の地形と、そこに住む:サンゴ、イソギンチャクや、大・小・色・カタチ様々の魚たちなど、人間の想像力を遥かに超えた「いきもの」がいます。私はこの光景に出会ってまた一つ、新たな人生観を持つことができました。そうしたことを自分で独り占めしてはいけないと、毎年地元の小学校の夏講座で「海の生き物たち」のことを動画付きで生徒たちに話をしています。生徒たちが、目を光らせて見入ってくれているのが嬉しいです。

地球の71.1%は海です。広い海と神秘の海中に思いを馳せてみませんか。

「海」⇒「魚」⇒「刺身」⇒「一杯」⇒「舌鼓」。このレベルでは、豊かな想像力は生まれませんよ!

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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