徒然日記

「レジ袋有料化」に思う

2019年11月6日

『徒然日記』 

 


深刻な話しでスタートします。【今日、海に年間少なくとも800万トンものプラスチックごみが流れこんでいて、これをジャンボジェット機の機体の重さに換算すると、1年間に5万機分の重さのごみを海に捨てていることになります。海には既に1億5,000万トンものプラスチックごみがあり、2050年にはそれが海にいる魚と同じ量にまで増えると予測されています。(三沢行弘氏(世界自然保護基金ジャパン)】。具体的にイメージがわきませんが、それほどの想像を絶する事態が起きていると言うことです。

このことに関して、たとえば「コーヒーショップ」などで、ストローを紙製にする改善策が講じられていますが、上記の数字を見ると、そんなことではまったく役に立たないような、絶望的な気持ちになります。

しかし寅さんじゃ無いですが「それを言っちゃあおしまいよ!」ですよね。「千里の道も一歩から」です。何歩になるのか分かりませんが、このような話しが出てきました。

【経済産業、環境の両省は26日、コンビニエンスストアやスーパーなどのレジ袋の有料化に関する有識者による審議会の初会合を開いた。商品を持ち帰るためのレジ袋はすべてを有料化する方向としており、年内に詳細を決め、来年4月1日からの実施を目指す。海洋汚染の原因となっているプラスチックごみ対策として早急に取り組む。現在は無料で配布されているケースも多いレジ袋を、有料にして、流通量を少なくすることで、プラごみ削減につなげる狙いだ。(産経新聞)】

「歩数」はひとまず置くとして、この件に関して、こんな見方もあるようです。某コンビニがかって、レジ袋(正式名称は“プラスチックバッグ”)。得意の「余談」になりますが、以前にこの「徒然日記」で、書いたことがありました。「ああ知ってたよ!」とおっしゃる方がおいででしたら“記念品“を持ってお伺いします。アメリカ在住30年の知人に言わせると、日本でよく言われている「ビニール袋」は、日本以外では通用しないそうです。日本流「カタカナ」で発音すると<vinyl=バイナル>だそうですが、あのペラペラではなく、もっと厚手のものを指すそうです。

話しを本筋に戻します。私もコンビニで小さな買い物をしたときに、商品を「ビニール袋」(使っちゃった!)に入れてもらい当然のように、それをぶら下げて店を出ます。正直申して、無くても良い状態です。あるとき「某コンビニ」が、「ビニール袋(また使っちゃった!)有料化」を考えたのですが、そうしたら、競合店に客を奪われてしまう!と悩んでいたそうです。それでは「業界で一致して、一斉に有料化しよう」と協議したかったところでしたが、公正取引委員会から、「それは『カルテル』に当たり『独占禁止法』に抵触すると指摘されそうだ」と言うことで、悶々としていたとこ、このような「お触れ」が出たことで、「これ幸い」「地獄で仏」「渡りに船」「好都合」・・・以下略、とばかりに、「有り難く申し受け仕ります」となったそうです。

極めて家庭的な私(単なる自己診断)は、頻繁に、安い商品を探して、近隣のスーパーマーケットに出没していますので、最近の情報をご伝授します。

①某スーパーマーケットでは、「レジ袋」をいらないというと「2ポイント」がオンされる。

②近隣の安いことで繁盛している別の某スーパーでは、「レジ袋」は6円。ここでは、多くの買い物客の皆さんが「ショッピングカゴ」3つ4つぶん購入されておいでですから、それですと<数十円>になっちゃいます。1カゴの私が、ウオッチングしたところでは、「レジ袋」をもらっている人は、<ほぼゼロ>でした。

ということで、このスーパーの買い物額の安さが、「レジ袋」0円対6円のマイナス感を上回っていると言うことだと思います。

私が良く行く地元パンやでは、「『袋持参の方』は2ポイント贈呈。そのポイントは、アフリカの貧困者への義援金に使う」と言うことで、袋を持参していますが、これなども、善意をくすぐってはいますが、ひとつの「省プラ」につながっていると思います。

しかし、「イルカがクラゲと間違えて、プラスティック浮遊物を飲んでしまい、それが原因で死んでしまった」というニュースが、当たり前に報じられると、「どうすれば良いの!」と悩んでしまいます。

6月末の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で我が国は、廃プラによる新たな海洋汚染を2050年までにゼロにする目標を掲げた「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を主導し採択しました。日本は自国の排出する海洋プラごみは世界全体の1%未満で、プラ再生率は17年時点で86%と世界トップ水準だと公言してきましたが、世界が日本を見る目は異なっています。日本の課題はプラ排出量の多さなのです。17年の総排出量は前年比0.4%増の903万トンと4年ぶりに増加しました。1人当たりプラスチック包装容器の排出量は、年間30キログラム超(14年時点)と中国やEUに比べて多いそうです。

小学生レベルの算数力で計算してみました。600ml入りの「ペットボトル」が<30g>ですから、1000本に相当します。勿論実際には、前述、ストローやコップ、レジ袋、その他あれもこれもがありますが、わかりやすくイメージすると「一人あたり、年間ペットボトル:1000本分を廃棄している」となります。

まずはこの数字をしっかりと頭に入れることが、「個人」としての『廃プラ対策の出発点』だと思いますが、いかがでしょうか。

レジ袋有料化は「来年:7月1日スタート」と決まりました。

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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