徒然日記

「あおり運転」について

2020年3月18日

『徒然日記』 

 

突然ですが、すべての日本人に問います。「『あおり運転』をしたことがありますか?」。そして、「されたことは有りますか?」

そのことに関して「日本アンガーマネジメント(怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニング)協会」の調査によると、「言われてみれば“したこと”があるかな?」含めて、「ある!」と答えた人が<40%以上>あったそうです。

一方「あおり運転をされたことがある」と言う人は<70%>も有ったということです(こちらは、チューリッヒ保険会社の調査結果)。

私はといえば、一戸建て住宅から、団地住まいに転居して10数年。ということで、玄関先の駐車スペースから、機械式駐車場に変わりました。そのために、「瞬時に乗れる」から、「3段式の機械式駐車場に駆けつけ、車を出して機械を元の位置に戻して車に乗り込むまで<約10分>」と大幅増となり、「その時間があれば、最寄り駅のホームまで行っちゃえる」ということで「免許証を返納」(その当時では、地元警察に“奇異の目”で見られました。勿論、車は売却)しましたので、それ以来は「あおり」とも「あおられ」とも無縁ですが、昔を顧みるに、冷静な性格ですので(えっ?)「あおりは無し、あおられはあり」です。

皆様先刻ご承知の事件ですが、話しの流れとして記述します。

【2017年6月5日、神奈川県の東名高速道路で、静岡県に住む夫婦の乗ったワゴン車が、“追い越し車線に停車中”、後続のトラックに追突され、夫婦は死亡。一緒に乗っていた長女(17)と次女(13)は、奇跡的に助かったと】言う事件がありました。「なぜ追い越し車線に停車していたか?」JNNは驚くべき事故の真相を独自取材に基づき下記の報道を行いました。

【当該被害者一家のワゴン車は、パーキングエリアで駐車位置をめぐって注意した乗用車に、高速道路上を追いかけられていました。執拗な“あおり運転”を受け、追い越し車線に無理やり停車させられた結果の事故だったのです。神奈川県警は“あおり運転”を行った、福岡県に住む被告(26)を逮捕しました。逮捕の容疑は“過失運転致死傷”でしたが、その後、横浜地検は“危険運転致死傷”の罪に切り替えて被告を起訴しました。】

そのことに関して、「なぜ頻繁に『あおり運転』事故が起きるのかについて、興味あるご指摘があります。例によってお名前を明記することで「免罪符」とさせていただきます。(親しき某氏にしばしばご指摘いただく「パクリ」です。)

藤井靖(明星大心理学部准教授、臨床心理士)氏のお話し。

【同じ犯罪でも殺人や放火、窃盗、詐欺などは、そこには明確な被害者の存在がある。しかし、スピード違反や一時停止違反、シートベルト装着義務違反、駐停車違反、追い越し・転回・後退禁止違反…これらは事故にならない限り、どれも直接的な被害者は存在しないことがほとんどである。

また、検挙される・されないに関わらず、厳密に言えば日常的に罪を犯している人が他の犯罪カテゴリーに比べて多いという点もある。例えば、見通しの良い幹線道路や高速道路で、制限速度をオーバーしたスピードでクルマの流れができていることは決して珍しいことではない。同じく取り締まりにあったときに、「みんなやっているじゃないか! なんで自分だけが罰を受けるんだ」と怒りをあらわにする人は決して少なくないだろう。】ということです。

しかしながら、この事故が大々的に取り上げられ、その後さまざまな「あおり運転」が大きく報道されるようになり、その結果として警察庁は、「最高で5年以下の懲役または100万円以下の罰金を科す」など【道路交通法改正案】をまとめ、今年の夏にも施行される見通しとなりました。これまで漠然としていた「あおり運転」についても、「違反行為」を具体的に規定しているようですので、特に「車に乗ると人格が変わってしまう恐れのある方」は、勉強をしておいていただきたいと思います。

それに対して、車に乗っても人格は変わらない“この私”は「25年間無事故無事犯」の模範的運転者でしたが、30年目に「一時停止違反」をしてしまいました。取締官の言うには、「止まっただろうが、左右を見て確認していなかった」と言うことで、大枚<7,000円>を申し受けました。しかし、藤井先生流に申しあげますと、「罪を犯した」という意識はまったくありませんでした。こういう思いは、心理学的には「価値基準の混濁」と言うそうで、【何が“やってもよい”ことで、何が“やってはいけない”ことかが明確に認識されづらく、その場の状況や判断、文脈によって、基準がコロコロ変わり一定しないことを指す。例えば、同じ人間であっても、仕事で急いでいるときは、制限速度を上回るスピードを出していても罪の意識は薄い。一方で、休みの日で急いでいないときなどは、一時停止や歩行者の存在、スピードメーターにも相対的に強く意識が働いており、順法精神が普段より保たれている場合もあるだろう。】となるそうです。

そのおかげと言うべきか、「『あおり運転多発&発覚』のせいで「ドライブレコーダーの売り上げが飛躍的に伸びた」とか。ちなみに着装率は「2012年:0%」に対して、「2019年:32.1%」だそうです。さらに、「米国市場において、日本のカー用品メーカーが『360度撮れるドライブレコーダー』の販売を開始。日本の最先端技術がアメリカのあおり運転にも威力を発揮する」と言うことのようですが・・・。

これって、発売元は「誰に感謝」をすべきなのでしょうか!?

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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