物流よろず相談所

SDGsへの取組みが必要な理由

2020年3月25日

物流よろず相談所 

 

数年程前から企業間における取組として国内でもしばしば耳にするようになった“SDGs”。一般に呼び名は“エス・ディー・ジーズ”とされることが多いようですが、正式には「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という意味を持つものです。SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標。近頃では取組みへの賛同のを表明する証として17色のテーマカラーバッジを胸にする方も増えて参りました。

国内物流企業の中にも広まりつつあるこの取り組みは、近未来の物流のあり方をグローバルな視野において予測できる指標としても大いに有効なもの。ややもするとITやAIの方ばかりに注意が行きがちな現代、あらためて先進企業が目指すべき姿を示してくれるとして多くの経営者が賛同を表明しています。

SDGsが掲げるのは17の大きな目標と、それらを達成するための具体的なターゲット(169項目)。
まず簡単に目標の確認をしておきます。

1.貧困をなくす
(あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ)
2.飢餓ゼロ
(飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な
 農業を推進する)
3.健康と福祉の充実
(あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する)
4.世界中に質の高い教育を
(すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する)
5.性差別をなくす
(性差別のない平等を達成し、全ての女性と女児のエンパワーメントをはかる)
6.安全な水とトイレを世界中に供給
(すべての人に水と衛生へのアクセストと持続可能な管理を確保する)
7.クリーンエネルギーの拡充
(すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーのアクセスを確保する)
8.働きがいと経済成長を上向かせる
(働きがいのある人間的らしい仕事を推進する)
9.産業と技術革新の基盤を作る
(強靭なインフラを整備し、包折的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る)
10.人や国の不平等をなくす
(国内および国家間の格差を是正する)
11.住み続けられる街をつくる
(都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする)
12.つくる責任、つかう責任を皆が自覚
(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)
13.気候変動にもっと具体的な対策を取る
(気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る)
14.海の豊かさを守る
(海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する)
15.陸の豊かさも守る
(陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、
 土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る)
16.平和と公正をすべての人に
(持続可能向な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進)
17.パートナーシップで目標を達成する
(持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する)―

以上がSDGsの17目標。始めの6個は主に途上国への開発支援のようでもありますが、エネルギー問題や働きがいにも改革を求める点はまさに国内全ての企業が取り組むべき課題と同じです。全般にわたり169もの具体的なターゲットが示されています。次号では詳細を説明させていただきます。

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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