徒然日記

新聞読んでますか?

2020年11月18日

『徒然日記』 

 

例えば、比較的空いている電車に乗ったときに、周りの座席を「ウオッチング」します。私のよく利用する車両は、片側7人掛けです。一時期は、その向かい側の「マスク着用者」(ほとんどでした)を、カウントしていましたが、今は「スマホ」(類似機器含む)使用者です。概ね5~6人がおいでです。社内アナウンスであれこれ言っていますが、ほとんど無視されていて、電話で話し合っている方もいらっしゃいますが、チラッとのぞき見したところ、ゲームをしている人や、アニメを見ている人が多いです。中には、何やら文章を読んでいる方もおいででした。私はと言えば、もっぱら「本」を読んでいます。

そうした傾向を「デジタル化時代」などと総括されますと、「アナログ時代の年寄り」は、「なんのこっちゃ」と思うのですが、確かに、「デジタル化」の波のせいで、書籍の購買額や新聞の購読者数が減っているという話を聞きます。ただし、昨今の「新型コロナウイルス騒動」で、「STAY HOME」の方が、他にやることがないと言うことで、書籍を購入しているせいで、どちらかの書店は、平常時の<1.7倍>の売上があったと、どこかの記事で読みました。私もささやかではありますが、この数値上乗せに貢献しています。(この項に関しては前回の「忘れると言うこと」で触れましたが、覚えておいででしょうか?)

その昔「テレビの方が、新聞より『速報性』に優れているので、やがては『TV時代』となる」と言われたときに、新聞側が悔し紛れに、「テレビじゃ弁当箱を包めないだろう」という、面白い反論があったとか?なかったとか?・・・私はある意味「そうだ、頑張れ!」と受け止めました。家内は時々、買ってきた野菜を、鮮度を維持するために、新聞紙で包んでいますが、確かにTVでは真似ができない優れ技です。

そのような利用方法では「新聞の真の効用」の証明にはなりませんので、アナログ派の長老としては、「新聞をすみからすみまでしっかり読んでいますよ」を証明しないといけません。

その昔、新聞情報でしっかりと読んでいたのは日経新聞の「私の履歴書」です。会社をリタイアして、今は時々しか目にすることはありませんが、思いつくままにお名前をあげると(敬称略)「松下幸之助」「竹鶴政孝」「井深大」「瀬戸内寂聴」「樋口広太郎」(以下、恐縮ですが「等々」とさせて頂きます)の皆さんの、自分は全くかなわない(当たり前ですね)お話を、じっくりと読ませて頂きました。

さらにその脇の文化欄の「遊行抄」も楽しく読んでいました。

その昔、20年近く書かせて頂いていた、某業界紙の随想欄に、この欄で読んだある方の「たった一人の同窓会」に感銘を受けて、そのことを書きました。皆さんもやっておいでの同窓会ですが、90歳を超えられたこの筆者の方の随想は、「参加者が一人減り、二人減って、とうとうたったの2名になった。そのもう一人も亡くなってしまい、残念だがたった一人の同窓会を解散することにした」という「胸つまされた話」のコラムでした。私は、「であるから、我々の同窓会もそろそろ幕引きしよう」と、我が仲間達に話したところ、ある一名が「俺が最後の一人になるまで同窓会を(正確には同期会)を開催する」と、強硬に発言したことで、以後毎年同じ日に同じ会場で開催すると言うことになりましたが、残念ながら彼はその後まもなく癌でこの世を去りました。これは、新聞がなければあり得なかった話で、そのことを思い出すたびに、「アナログ情報から受けた、人生の珠玉の教訓」を感じています。

次に申しあげたいのが、毎日のように新聞紙上に書かれている「人生相談」です。私は、自分の思いとか傾向が偏ってはいないかの「リトマス試験紙」として、毎日この人生相談の、「相談内容と回答者の先生方の返事」に対して「、私だったら!?」とすりあわせをしていますが、概ね先生方のリーゾナブルなご回答に、「ほぼ同感」しています。

またしても「その昔」ですが、淡谷のり子さんという有名な歌手がおいででした。(1907~1999)。ブルースの女王と呼ばれた彼女は、数奇な人生をたどってこられましたが、ラジオで回答者をしていた人生相談(これが大評判でした)では、結論としてほとんどのケースで「別れなさい!別れなさい!」と返事をされていました。「別れたくなければ相談するな。私に相談すると言うことは、別れることの後押し・決断をフォローして欲しかったのだろう」と思っておいでではなかったかと納得しました。

こうした話もそれなりに大事だと思っていますが、話が横道にそれましたので、まとめに入ります。

私が言わんとしていることは、「物事や自分の置かれている立場を客観的に判断して欲しい」と言うことです。個人の切実な悩みの相談に対して、回答者の意見と自分の意見が違ったとき、「なんで違ったのだろう」と、もう一度スタートラインに立って考え直してみることが、大事ではないかと私は思います。背伸びしても届きっこないですが、「偉人賢人の履歴」から学ぶべきことがあります。そこから「偏らないものの見方考え方が生まれる」と思っていますが、私の話「偏って」いますか?

張本さん「喝!」or「あっぱれ」?

著者プロフィール

小泉武衡

職歴
 元 寺田倉庫株式会社 取締役


1964年より「物流業」に携わり、変化する“各時代の物流”を体得するとともに、新たな取り組みとして「トランクルーム」や「トータル・リファー・システム(品質優先ワイン取扱い)」事業に力を入れてきました。さらに、営業・企画・渉外・広報棟ほか、倉庫スペースを利用した「イベント事業責任者」などを歴任し、旧施設の新たな活用、地域開発、水辺周辺の活性化に尽力してまいりました。

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