続・徒然日記

カーボンフットプリントって何?

2022年6月1日

『続・徒然日記』


皆様は昨今日常的な言葉となっているSDGsへの取組みの中で、カーボンフットプリントという言葉がよく耳にされるようになってきました。でもその意味を知らない方も多いのではないでしょうか?実際この取り組みは国内では進んでいないようです。カーボンフットプリント(CFP)とは、商品やサービスのライフサイクル全般(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出された温室効果ガス(GHG)の量を、CO2量に換算し、商品やサービスに表示し「見える化」するものです。

カーボンフットプリントは、2007年にイギリスが先行して制度を導入し、その後、フランスやドイツ、韓国等でも取り組みが開始されるなど、GHG排出量を削減するツールの一つとして国際的に注目されています。国内では、経済産業省が中心になってカーボンフットプリントに関する各種ルール作りや試行事業を開始するなど、制度の導入を進めてきました。

カーボンフットプリントの普及が進むことによって、事業者と消費者の双方による相乗的なGHG排出量の削減につながるとともに、事業者と消費者のそれぞれに排出抑制の動きが促進されると期待されています。カーボンフットプリントは、製造・流通など各段階の排出量を「見える化」することで、各事業の排出削減努力や、消費者にCO2排出の少ない商品の選択を促す制度で、欧州ではすでに定着しています。適用範囲は、原料調達・製造・流通・販売(輸配送)・消費・使用維持・廃棄・リサイクルですから、物流はすべての段階に関係していることになります。この中で、流通・販売段階で収集すべきデータは、改正省エネ法の燃料使用の把握方法に準拠し、まず1次データとして輸送量、輸送資材の使用量、廃輸送資材の発生量、および燃料投入量(燃料法を用いる場合)、走行距離当たりの燃料消費によるCO2排出量(燃費法を用いる場合)が収集されます。

次に2次データとして輸送距離、輸送資材の製造・輸送にかかるCO2排出量、および輸送トンキロ当たりの燃費消費によるCO2排出量と積載量(改良トンキロ法の場合)を収集。ただ現実的には1次データを把握することはメーカーにとって容易ではないため、輸送換算手法も提示しています。例えば、①輸送距離は市内・近隣都市間の場合は“50㎞”、②県内輸送は、県境間を想定し“100km”、③県間輸送は、東京~大阪間を想定し“500km”、④生産者から消費者への輸送で、消費者が特定されないときは、本州の半分の長さを想定し、“1,000km”。換算基準は平均値ではなく、あり得る長さの距離を想定しています。さらに国際輸送の場合は、国ごとの代表港を用いることにしました。例えば、日本~韓国は“1,156km”、日本~中国が“1,928km”、日本~米国が“8,959km”などと設定しています。国際輸送は、すべて海上輸送とし、コンテナ船で統一しています。国内輸送手段において、モーダルシフトによるインセンティブが得られるようにトラック輸送を基本に設定しています。基となる車両設定は、物流事業者が10tトラック、その他の事業者が2tを基準としています。トラックの積載率が不明確な場合は、営業車は62%、自家用車は49%としています。

このような規定からGHGの排出抑制にこうかがあると期待されているのがカーボンフットプリントなのです。では日常に戻ってみると国内で流通する商品にはこのカーボンフットプリントがなされているのは一部商品に限られているようです。イオングループではいち早く取組みPB(プライベートブランド商品)などに記載していますが、消費者の関心をひかないためか、国内製品の多くには記載がないようです。日本人の持つ特性も大きく影響があるのかも知れません。総論賛成、各論反対。GHG排出は良いことで取り組む必要は理解するものの、値段が最優先で、カーボンフットプリントによって購入を決めることがあまりないようです。この政府をあげての取組みも一般に行きわたっていないのはこのような考え方が消費者に根強くあるからかもしれません。今一度GHG排出抑制をすすめるため、カーボンフットプリントを見直してみたいものですね。

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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