物流よろず相談所

2024年問題でトラックドライバー転職意識高まる(その②)

2025年12月3日

『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志


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2024年問題でトラックドライバー転職意識高まる(その①)

2024年問題の影響でドライバーの離職意識が高まっています。近年転職エージェントや求人サービスが増え気軽に転職、離職していい傾向が広まっているからと考えられます。働き方や価値観の多様化など労働市場の変化がその理由ですが“試しにドライバーやってみる”位の軽い気持ちで応募してくる人材も確かに増えているように思います。また退職も軽く考える傾向もあり、長く勤めようとする若年層は減少しています。退職代行サービスを使って辞めることもできる今、辞め方のマナーも知らない20代が増えたことも運送業経営者の間で聞かれるようになってきました。

レバレジーズが運営するエッセンシャルワーカー向けキャリア支援サービス「レバジョブ」が、ドライバー630名を対象に「2024年問題」に関連する時間外労働時間の制限の影響について行った調査で、約4割のドライバーが転職を検討していることがわかりました。調査は10月6日~10日にインターネットで実施したもの。長距離トラックドライバー162名、中近距離トラックドライバー164名、タクシードライバー161名、バスドライバー143名が回答。その結果、労働時間の短縮に一定の効果がある一方で、賃金や職場環境に変化が生じていることが明らかになりました。

まず残業時間については、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制により、約3割のドライバーが月の残業時間が減少したと回答、特に長距離トラックドライバーで減少した割合が高く、月あたりの残業時間が「10時間以上~20時間未満」減少したとする回答が最多となりました。一方で、約25%のドライバーの年収が減少したと答えており、職種別では長距離トラックドライバーが最も影響を受けていることが分かりました。

年収の減少額については「10万円~30万円未満」が最多で、労働時間の短縮が賃金減少につながるケースがあることが示されました。また、「時間外労働の上限規制」による変化について約4割のドライバーが「特になし」と回答する一方で、「残業時間の減少」や「所属企業の賃金の減少」、「職場内の退職者の増加」などの回答も見られることから、労働時間や賃金の変化だけでなく、人材流出が起きている可能性もうかがえます。

さらに、同調査で転職を検討したことがあると回答したドライバーが約4割に上り、約1割が既に転職したという結果も出ています。転職理由としては「給与水準の高い企業への転職」や「労働時間管理の厳格化によるストレス増加」が挙げられています。また長距離トラックドライバーを中心に車種変更を検討する動きも活発に見られています。従来の働き方からタクシードライバーなど別の職種への転向が進む可能性も指摘されています。

厚労省によるトラック運送業の改善事例によると、①当地同業他社の賃金相場を調査し、それより1~2万円ほど高い設定にする、②未経験者の給与を歩合をやめて固定給制度にし、経験者は歩合制や業種により昇級制など従業員が選べるようにする、③住宅補助や健康診断、病気やケガの保障なども社員の安心につなげる、④従業員の希望をできる限り取り入れたシフトや休暇制度を意識的に実践する、などの事例が示されています。

加えて大事なのはドライバー心身ともにケアーです。1日の仕事を1人運転席で過ごすドライバーはコミュニケーションの機会も限られています、今後点呼の自動点呼や遠隔点呼が広まっていくと、人のつながりはさらに減少していきます。1人の仕事を好んで入社する人もいますが、それでも気付かぬうちに、孤独のストレスは少しずつ溜まっていくことでしょう。特に事故や渋滞に巻き込まれたり、長い荷待ちや理不尽な荷役など安全に集中できないようなイライラは増幅しがちです。これらドライバーが1人で抱え込んでいる辛さを企業側は本当に理解できているでしょうか?社員とのコミュニケーションを強化するために、全員参加のイベントを実施したり、one on oneミーティングの実施やグループ編成など行なってメンタル面でのケアーを強化していくことが大事です。

著者プロフィール

岩﨑 仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

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