物流よろず相談所

物流現場における問題分析とその解決策

2026年4月22日

『物流なんでも相談所』
岩﨑仁志


2026年度が始まりました。2024年問題に加え2026年4月から施行される改正2法によって、9万トン以上の貨物を有する荷主、150台を保有する貨物運送事業者、70万トン以上の倉庫事業者には特定事業者として義務が発生することによって、人手不足と輸送能力の低下が一段とと加速しくと見込まれています。物流業界においては段階の世代と呼ばれた戦後ベビーブームに誕生したベテランドライバーの引退が増え始めたこととに加え、2024年以降、時間外労働の上限規制が始まったことが重なり、人手不足問題がさらに深刻化しています。また法改正によって物流効率化など荷主から求められるデータ対応など、業務が複雑になり、かえって人手を要することになるなど、コスト面でもムダな費用がかさんでいるのが実情でしょう。

物流業界の流れにも大きな変化が表れています。荷主である製造業の中でもこれまでの物流子会社を本社に吸収合併したり、3PL企業にアウトソーシングの一環として売却したりする動きが目立つようになってきました。物流をノンアセット化し、コスト削減を図る傾向も目立つようになってきました。

一方で物流効率化を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX化)も加速し、ますます高度化が進む現代物流、管理のレベルアップを物流業者に委ねる企業は今後も増えていくと思われます。その様な中で“任せて”と言える実力を日々の経験で身につけておくことが重要です。

物流現場での日々の仕事は問題解決の連続です。問題解決を進めるには問題の提起と、その要因を探ろうとする意識が、現場全体には必要です。本来のあるべき姿を知り、実際の姿とのずれを認識するところから、問題解決は始まるものです。問題解決にはまず自責からくる発想が必要です。そのためには、自社の課題を明確にし、解決していくことが必要となります。自社理念や経営戦略を社員やスタッフが理解していなければ、またそれを意識した仕事をしていなければ、それは“問題”と言えます。まずは、自社における品質の常用性を認識し安全意識や技術の向上も含めた社員教育は定期的に行なっているでしょうか。いくら荷主に言われたからと言って違法行為や不安全行為を黙認してはいけません。まず正統論を徹底的に教える事で、現実とのずれを認識できるようにもなるものです。

次に人材の活用です。今後は外国人ドライバーの活用も課題となってくるでしょう。女性、パートや派遣スタッフなどの活用は成功していますか?採用と定着は確実にすすんでいるでしょうか?退職者の分析や対策はできていますか?幹部育成は成功していますか?

現場においてミスや間違いを報告すると上司から責められる、報告しても上まで伝わらない、等が常態化していませんか?これでは報・連・相も透明性も存在しないブラック企業に近づいてしまいます。幹部社員がいつまでも権限委譲ができないことも 問題のひとつ、スタッフを育て、信頼して任せることができなければ、部下の自立心も生まれません。そのうち言われたことしかやらなくなってしいます。

マーケティングの基礎知識は必ず身につけておくことも確認しておきましょう。知識を持った荷主がちまたに溢れている今日ー、世間話や接待より、最新ビジネス情報や提案の方に 価値を見出す顧客の方が今は絶対多いと考えられます。市場調査で、時代に合った顧客ニーズなどを正しくとらえきれていないことも問題です。マーケティングが定期的に行われていない企業は変化していく顧客ニーズをつかむことも、目標を立てることもできないばかりか、問題の認識も遅れてしまいます。

やはり最後は人の問題です。現場社員の意識レベルを意確認しておきましょう。モチベーションの確認とエンゲージメントの高まりは確実に実行されていますか?報酬や表彰を伴わない成果主義やサービス残業はやる気をなくすのみならず、今後は違法行為にもつながりかねません。部下の気持ちや努力を無視するような指示や指導は社内組織の結束崩壊を招くことになります。社員満足度の向上は必須であり、グループのまとまりや現場のモチベーションを下げる言動は何か考え、意識しておかねばなりません。適材適所の配置はできているか?配置による効率の低下があるなら、まず部署の異動を行なうなどして問題の解決につなげましょう。現場重視を徹底させることは物流業の収益確保に最も効果的な問題解決法です。末端作業のひとつひとつはむしろ最重要との認識を改めて徹底しましょう。顧客とのつながりを大切にするためには、現場のスタッフに顧客第一主義を徹底することが言うまでもなく必要であり、この意識こそ問題発覚には大切です。まず働くスタッフが明るく前向きに取り組めることが何より重要だと思います。

著者プロフィール

岩﨑仁志

代表主席研究員

職歴
 外資系マーケティング企画・コンサルティングセールス


物流・運輸業界に留まらず、製造業や流通業物流部門などを対象にコンサルティングを行ってきました。国内外の物流改善や次世代経営者を育成する一方で、現場教育にも力を発揮し、マーケティング、3PL分野での教育では第一人者とのお声をいただいています。ドライバー教育、幹部育成の他、物流企業経営強化支援として、人事・労務制度改定に携わった経験から、物流経営全般についてのご相談が可能です。

得意分野

  • 3PL
  • マーケティング
  • ドライバー育成
  • 人材教育
無料診断、お問い合わせフォームへ