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ONEなど主要コンテナ5船社 IT基準設定で非営利団体 相互運用性を確保

日刊CARGO 2018年11月16日掲載

 

オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)、マースクライン、MSC、CMA‐CGM、ハパックロイドのコンテナ船社5社は、コンテナ船業界のデジタル化およびその標準化を推進するため、中立・非営利の団体を設立する。ONEが15日発表した。団体はデジタルプラットフォームを構築・運営することはないが、業界内で共通の情報技術(IT)基準を設定することで、船社間の相互運用性を確保する。5社の担当責任者は既に基準について議論を進めており、設定された基準は業界のすべての関係者が利用可能となる。

運用は来年初頭からを予定している。ONEからは山鹿徳昌・マネージングダイレクター(MD)が参加。山鹿MDは「近年、海運・物流業界に到来している革新的な技術革新の波は、業界全体のデジタル化のための良い機会をもたらすと考えている。しかしわれわれはこれまで、マーケットに共通の基準がないことから個々の企業による新技術導入に慎重な面があった。そのため、新たな技術や基準について議論し、業界内で協力することが必要だ」とした。

また、設立する団体についてMSCは「コンテナ船社の情報技術が共通化されれば、顧客や関係者にとって最善の利益となる。煩雑な手続きのない透明性のあるものを追求していく」としている。団体では独占禁止法を守るため、商業、業務に関わる事項については話さない。また設立後の新メンバー加入も歓迎するという。

コンテナ船業界のIT標準化の取り組みとしては、主要コンテナ船社30船社以上が加盟している海運ポータルサイト大手のINTTRA(イントラ)がある。2001年に設立され、NVOCCを含めると60社以上の船社、荷主は3万社以上と接続されている。世界全体のコンテナブッキング数のうち25%がイントラ経由で処理されているという。


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