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GW連休明け 初日混乱なし 主要港「1~2週間は混雑注視」

Daily Cargo  2019年5月8日掲載



ゴールデンウイーク(GW)連休明け初日となった7日、主要港では深刻な混雑など大きな混乱は見られなかった。連休中は各ターミナルの判断で、特定日にゲートを開ける臨時ゲートオープンを実施。加えて港湾労組による連休中のストライキ実施を懸念した荷主が事前に出荷調整していたこともあり、深刻なヤード内の貨物滞留はほぼなかった。日本最大のコンテナ取扱量を誇る東京港では、7日早朝に一部ターミナルでゲート前混雑が発生したものの、7日から9日まで東京五輪・パラリンピック開催時の交通需要マネジメント(TDM)の一環で、ゲートオープン延長トライアルを実施していることから、「早朝ゲートオープン後は大きな混乱は見られなかった」(東京港関係者)ようだ。一方で、GW中に搬出の事前予約があったが、実際には引き取りされていないケースもあり、東京港関係者は「今後、1~2週間程度は様子を見る必要がある」と話す。

今年のGWは過去最長の10連休となり、ターミナルへの貨物滞留が懸念されていた。そのため、5大港の各ターミナルでは滞留防止策として、特定日を開ける臨時ゲートオープンを行った。連休中の貨物搬出を促し、「ヤード内の混雑緩和に一定の効果をもたらした」(主要港関係者)。また、GW中は船社が日本を抜港したケースも多く、深刻な貨物滞留は見られなかった。

連休明けとなった7日、5大港ではターミナルによって濃淡はあるものの、総じて「(ゲートオープン前の)早朝は、通常の連休後ないし、通常より少し並ぶ程度の混雑状況だったが、ゲートオープン以降、午前中は特に大きな混乱はなかった」ようだ。東京港では五輪時のTDMの一環で、早朝1時間、夜間3時間の計4時間、ゲート作業を延長するトライアルを実施しており、その他主要港でもターミナルによって早朝ゲートオープンや昼休みゲートオープンを行い、対応した。

しかし、連休中の臨時ゲートオープンで事前搬出予約があったものの、実際に引き取りがなかったケースがあったことや、連休中に船社が日本抜港したことで今後、反動で貨物が増える可能性があることから、主要港関係者は「この先数週間は、混雑が悪化する懸念があり、状況を注視していく必要がある」と口をそろえる。

また、港湾春闘の動向にも注目が集まる。争点となっている産別最低賃金を巡る労使の溝は深く、交渉は長期化している。港湾労組が検討していたGW期間中のストライキは国民生活への影響や今後の交渉戦術を総合的に踏まえて回避されたが、毎日曜日の24時間ストライキは引き続き実施する方針となっている。組合側は12日の24時間スト実施を既に通告中で、9日にはスト回避に向けた中央団体交渉が行われる。仮に決裂した場合は、GW後の貨物が増えるタイミングでのスト実施となり、港湾物流への影響が懸念される。


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