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データ基盤構築し生産性向上 政府、スマート物流で研究開発案

Daily Cargo  2019年7月1日掲載

 

政府は、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として取り組む「スマート物流サービス」の研究開発計画案を策定し、27日公表した。「物流・商流データ基盤に関する技術」「省力化・自動化に資する自動データ収集技術」の研究開発を実施する。サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合するSociety5.0の実現に向けて、セキュリティの担保されたオープンな物流・商流データ基盤の構築に取り組む。その基盤を核として、各業界の特性に合わせたデータを提供。サプライチェーン全体の最適化により、生産性を向上させる。

「物流・商流データ基盤に関する技術」の研究開発では、商流情報と物流情報を収集し、一元的に蓄積するデータ基盤を構築することで、サプライチェーン全体の可視化、関連事業者への有益情報提供、情報の分析、加工による新たな価値創出を目指す。高速かつ耐改ざん性・透明性・秘匿性を持ち、安定的に収集・蓄積・提供できるデータ基盤を構築するため、ブロックチェーンの活用も図る。

具体的には①提供者のデータ主権を担保する技術②非改ざん性を担保する技術③高信頼データ基盤構築技術(個別管理データを抽出し変換する技術、入出力高速処理技術)④他の先行するプラットフォームとの連携技術――に関する研究開発を行う。これら技術開発の推進に向けて、データの協調領域の範囲に関する合意形成、データ主権に配慮したルール(データ提供・利活用等)策定などの取り組みを並行して進める。

これら技術については、20年度末までに、サプライチェーンを川上から川下まで業界ごとに統合した(垂直的)物流・商流データ基盤のプロトタイプの開発、 データ基盤構築に関する技術開発を実現することを中間目標とする。最終目標として22年度末までに、データ基盤構築に関する技術開発成果を取り入れた(垂直的)物流・商流データ基盤の開発、物流機能を複数業界間で統合した(水平的)物流・商流データ基盤の開発、構築したデータ基盤を活用したビジネスモデルの構築などを完了させる。

「省力化・自動化に資する自動データ収集技術」の研究開発では、サプライチェーン上の各段階における個品単位の情報を川上から川下までシームレスかつ正確に把握し、トレーサビリティを確保する自動データ収集技術を開発する。開発された技術などは既存の認識技術などと統合してデータ基盤へ実装する。まず5~10件程度の実施者を選定し、研究開発対象の実行可能性の確認を行い、それらの中からステージゲート方式で絞り込む。絞り込んだ研究テーマについて研究開発などに着手する。研究開発の成果の実証や実用化にあたり、既存の規制との調整が必要となる場合には、担当省庁を巻き込んで議論と具体的な取り組みを進める。

同分野については20 年度末までに、研究開発テーマの絞り込みと研究開発の実施を図り、最終目標として22 年度末までに実証実験を行う。

SIPは内閣府が主導し、府省の枠を超えて自ら予算配分し、社会的に重要で経済成長や産業競争力の強化につながる多様な分野での基礎研究から実用化までを実現するもの。第2期となる今回、初めて物流分野のプロジェクトが盛り込まれていた。

研究開発計画の策定や推進を担うプログラムディレクター(PD)には、ヤマトホールディングス常務執行役員・ヤマト運輸取締役の田中従雅氏が就く。PDを議長とし、内閣府が事務局を務め、関係省庁や専門家などで構成する推進委員会が総合調整する。海上・港湾・航空技術研究所は、研究課題を実施する研究責任者を公募で選定する。さらに外部有識者で構成するアドバイザリーボードを設置し、PDに対して方向性や方針、海外業務モデル、国際戦略に関する助言を行う。


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