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五輪まで1年、京浜港で混雑対策進む 東京港、来月にゲート延長トライアル

Daily Cargo  2019年7月24日掲載

 

きょう24日で東京五輪・パラリンピック開幕まであと1年となる。大会関係車両が増えることによる首都圏港湾周辺の交通渋滞が懸念される中、東京港では大会時の交通混雑緩和に向けた対策を相次いで打ち出している。東京都は23日、8月19日から23日にかけてコンテナターミナルのゲートオープン時間の延長トライアルを実施することを発表。ゴールデンウイーク(GW)前後に行ったのに引き続き、2回目の実施となる。同時期には大井コンテナふ頭至近の城南島で24時間利用可能なストックヤードの運用トライアルも実施する予定となっており、併せて効果を検証する。横浜港でも24日に官民一体の「横浜港物流対策会議」を開催し、大会期間中の円滑な物流確保に向けた取り組みを検討する。

東京港では、「ターミナル周辺の交通混雑が最大の課題」(東京港関係者)となっている。これに加え、来夏の東京五輪・パラリンピック時には大会関係車両が増えることで、港湾周辺の渋滞が一層悪化するのでは、との懸念も高まっている。

こうした状況を踏まえ、東京都は大会の成功と円滑な港湾物流の維持を目指し、大会開催時の交通需要マネジメント(TDM)など対策を進めている。今年のGW前後にはTDMの一環として、東京港の全てのCTでゲートオープンの延長トライアルを実施。通常、午前8時30分から午後4時30分までのゲートオープンを、午前7時からに1時間前倒しするとともに、午後は7時30分まで3時間後ろ倒しする計画で行い、効果を検証した。「早朝の利用が2倍になるなどの成果が確認できた」(東京都)一方で、一部のトラック事業者からは、「午後7時30分までに作業を終わらせるために、夕方以降の札掛けが午後5時や午後4時30分にされてしまい、全く延長されていないと感じる」との声も聞かれた。

8月19日から全てのCTで実施する2度目のトライアルではこうした反省を生かし、札掛け時間を午後6時に設定した。GW前後の時と同様、早朝は午前7時30分からで変更なし。オフドックバンプールについても延長トライアルを実施する予定としており、延長時間や実施場所は現在調整中。決定後、東京港ポータルサイトで詳細を公表する。

また、8月19日から30日には城南島に24時間利用可能なストックヤードを設置し、運用トライアルを行う。オンシャーシ状態でコンテナ貨物を仮置きすることができる一時保管場所を作ることで、トレーラーヘッドを他の配送業務に回すことが可能になり、車両の回転率向上を図る。日中にコンテナターミナルやバンプールからストックヤードへとコンテナを移し、交通需要の少ない夜間や早朝にかけてストックヤードから出庫することを促すことで、特定時間の車両集中を防ぎ、渋滞緩和を進めていく方針だ。既に今月19日までトライアルの参加陸運事業者を募集したが、「多数の応募をいただいた」(東京港関係者)ようだ。ゲートオープンの延長トライアルと合わせて効果を検証し、来夏の大会時に円滑な港湾物流の維持を目指す。今後も青海地区と中央防波堤外側地区でのストックヤード設置を検討する方針で、既存の大井ふ頭と城南島のストックヤードと合わせて計4カ所に拡充される見通しだ。

このほか、東京都と東京港埠頭会社は「臨海部混雑マップ」を公表。大会期間中の臨海部主要道路の混雑予測を、「渋滞(時速10キロ未満)」「混雑(時速10~20キロ)」「空いている(時速20キロ超)」に分類して表した。今年度中には港湾周辺の道路混雑状況がリアルタイムで把握できるウェブカメラも増設する計画だ。詳細な情報や混雑予測を公表することで、早朝や夜間などへとトラックの走行時間を分散化し、渋滞の発生・悪化を防ぐ狙いだ。

■横浜港、きょう物流対策会議
大会期間中、東京港の混雑を回避するため、荷主が物流ルートを変更することが予想される中、近隣の横浜港でも物流対策を検討している。24日には東京五輪・パラリンピックを見据え、横浜港の港運関係者や国土交通省関東地方整備局、横浜市港湾局など実務責任者約20人で構成される「横浜港物流対策会議」を開催する。大会時の横浜港への貨物集中やCT前のゲート混雑などを防ぎ、円滑な物流を維持するための方策について議論する予定だ。

横浜港では今年のGW10連休に際しても物流対策会議を開催。港湾混雑や周辺渋滞の回避策として、臨時車両待機場やバンプール用の関連用地を確保する方針を確認していた。

■関東運輸局が準備本部設立
国交省としても大会時の交通対策を進めている。石井啓一国交相は23日の会見で、「大会を成功させる上で、TDMによる交通量の削減は重要な課題だ。大会期間中のTDMを実効性のあるものにするためにも今年のトライアルにしっかり取り組むことが重要」と述べた。

国交省関東運輸局は23日、関東運輸局長を本部長とする「関東運輸局2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会準備本部」を設置したと発表。同局はこれまでも、関係行政機関や業界団体と連携してTDMの推進や交通対策を進めてきたが、オリパラに向けて局内の体制強化を図るとともに、責任の所在を明確化した。

港湾局としても髙田昌行港湾局長が22日の会見で、「東京五輪・パラリンピックに向けてCTゲート前混雑の解消を目指し、東京湾で円滑な物流を維持していく。国だけでは実現が難しいので、港湾管理者や関係者とも連携し、役割分担も含めて問題解決に向けた対話や意見交換をしていきたい」とコメントしている。


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