経営者インタビュー「物流最前線をみる」

規模拡大をめざし切磋琢磨 青年部、10年後へ意識改革を

経営者インタビュー ~物流最前線をみる(17)~
ILRS-NEWS Vol.475

 

八大株式会社 岩田社長

御社にとっていま経営の最重要課題とは。

(岩田社長)事業規模を拡大していくことだ。やり方としては、収入を上げて規模拡大をはかっていくことと、もう一つはM&Aという手法がある。収入を上げていくには荷主に対しもっとしっかりしたロジックをもって交渉しなければならない。採用については以前のように募集すれば人が採れる時代ではなくなったが、会社として働き方改革や法整備への対応などしっかりやれば、人は入ってくると思っている。若手の世代はスマフォ等を活用し情報をしっかりとチェックしてから行動している。いずれにせよ、世の進展に対応して会社をもっと磨いていかねばと思っている。

働き方改革にはどのような取り組みをしているのか。

(岩田社長)時間管理はGPSで管理している。動態管理のほかアルコール・チェック、荷台の温度など一体管理できるシステムを導入していて、クラウドを使って出張先でもわかる。月に2回、すべてのデータを出してチームリーダーと各部長が把握・指導している。残業は前半145時間をメドにこれを超えたら後半に調整するようにしている。

有給休暇の取得は1年間で消化することを想定し、消化率を毎月%で出している。ドライバーによっては取得する意識がない人もいるので、1年かけてとってもらうよう誘導している。顧客によってとり易い時期が異なるため、チームリーダーと部長が話し合ってとるようにしている。

このほか女性の採用を拡大しようと思い、広い更衣室を作った。現在事務員を含め4人いるが、15人くらいになる想定で、トイレはもちろん別にし、今後はシャワー室やマッサージチェアなども導入していく。また、ドライバーも含め外国人にも採用の門戸を開いている。もちろん就労ビザを持っている人で、ドライバーは日本で運転免許を取得している。顧客には日本語ができ、真面目な人間であることを説明して理解を得ていて、外国人同士は国のことばで会話ができるのもよいようだ。

時間・有給管理・採用含め、人は言葉で言っても動かない。時間をかけ丁寧に同意共感を得ながら大きな仕組みを作る事が肝要だと考える。

安全対策への取り組みはどのように行っているのか。

(岩田社長)毎月、安全会議を開いて1年かけてGマーク14項目取得をできるように研修している。時間を調整して小グループ単位で行い、講師の一方的なレクチャーでなく、グループディスカッションに重きを置いた内容にしている。事故が発生した時は再発防止に主眼を置き、チームで問題点を確認して対応策を話し合い、全社に伝える。

今後の課題はリーダー教育だ。当社はこの4年で社員が25人から50人超へと倍増し、この規模に見合ったリーダーを育成していかねばならない。外部のコンサルタントを入れてリーダー養成をやっていこうと思っている。

― 東京都トラック協会青年部の本部長となったが、何に主眼をおいて活動していきたいと思うか。

(岩田社長)若手、壮年の経営者には自ら現場に入っている人も多いが、まず経営者という仕事に気づき、意識して早くスタートしてほしいと思っている。これからの運送業界は我々の親の世代と違って、ある程度の規模がないと生き残りは難しく、経営者として法律を理解し、人、設備を入れて規模を出せるよう考えてもらいたい。AI、IoT、BDの活用など世の変化はめまぐるしいが、物流業界も以前の10年に比べ進化がとても速く、我々の世代はこれにキャッチアップしていかないと立ち遅れてしまう。法律をみても免許制度、駐車禁止、労務管理など進化に追いついておらず、甘受ばかりしてはいられない。協会の現行活動はもちろん大事なのだが、10年後、20年後を見据えて能動的にこちらから発信していかなければならない。次の時代に向けて今からトレーニングをしていくのといかないのでは大違いになるということを理解し、新たな環境に対応し、環境を作っていくよう成長をめざしたい。

(聞き手:葉山明彦)


八大株式会社
東京都中央区日本橋人形町2丁目16番7号

代表取締役社長 岩田 享也 
ホームページ https://hachidai.co.jp/

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物流会社がいま何を問われ、何を最重視して取り組んでいるのか。また、安全対策は…、社員教育は…。いま直面する問題にどのように対応しているのかを経営者に直接インタビュ-し、生の声をお届けします。

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