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台風19号 CT利用は問題なし 広範囲で港湾施設被災も

Daily Cargo  2019年10月16日掲載

 


台風19号により広範囲にわたって港湾施設が被災したものの、15日時点でほとんどのコンテナターミナル(CT)でオペレーション上の支障は出ていない状況だ。各港でクレーンの電気系統の損傷や舗装の破損、空コンテナの荷崩れなどが発生したが、15日はおおむね通常どおりゲートオープンし、コンテナの搬出入に大きな混乱はなかったようだ。

国土交通省によると、港湾施設の被害状況について14日午後5時時点で重要港湾以上では新潟・伏木富山・金沢・七尾・敦賀・茨城港常陸那珂港区・東京・横浜・御前崎・四日市・津松阪・舞鶴・大阪・堺泉北・阪南・姫路・尼崎西宮芦屋・東播磨・和歌山下津・日高・徳島小松島・橘が点検中となっており、その他の港湾では点検が完了した。

CT関連では、東京港はグレーチング破損など一部で被害が発生したが、全CTで利用には問題なく、ほぼ通常通り稼働している。青海A2ではクレーンの電気系統と給電ケーブルが損傷し、復旧作業を進めている。臨港道路については、レインボーブリッジと東京ゲートブリッジが通行止めとなったが、ともに12日午後11時55分に解除となった。

横浜港では、9月上旬の台風15号で被災し、修理していたBC-1の岸壁舗装部分が一部破損したが、オペレーション上の問題はないようだ。D-4は管理棟のエレベーターなどが停止したが、14日までに復旧した。D-5では空コンテナ10~15本の荷ズレなどがあったが、「運営上の支障はない」(関係者)。大黒ふ頭T-9はSOLAS機器設置場所の浸水などがあり、復旧作業中だ。南本牧ふ頭MC-1ではクレーンの振れ止め装置の不具合、MC-2ではクレーンのスプレッダー動作不良があったが、既に仮復旧および一部仮復旧が完了している。MC-3では岸壁とレールとの間のアスファルトが隆起しており、復旧作業を進めている。

金沢地区では台風15号により被災したため、応急措置として護岸に土嚢を設置していた。今回の台風19号により土嚢の一部が崩れたものの、事前対策により工業団地への浸水被害は無かった。

川崎港では東扇島コンテナターミナルでインターロッキングブロックが飛散したほか、クレーンワイヤーのロープが絡んだ。仮復旧が完了しており、利用には支障ない状況だ。東扇島沖では貨物船が沈没し、油が流出したが、国交省は13日に清掃兼油回収船「べいくりん」、14日に大型浚渫兼油回収船「海翔丸」を出動させ、対応を図った。

清水港では、新興津CTで一部フェンスの倒壊とクレーンの一部損傷があったほか、袖師CTではガードレールの一部損傷、フェンス倒壊、クレーンのケーブル絡みなどがあった。「ガントリークレーンの一部は様子見で稼働している状況だが、オペレーション上に支障はない」(ターミナル関係者)状況だ。御前崎港も舗装やガードレールに一部損傷があったが、既にガントリークレーンは復旧しており、運用できる状態だ。千葉港のCTでは被害がなかった。


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