経営者インタビュー「物流最前線をみる」

健康経営で事故ゼロをめざす / 青年部で深川の交通安全活動

経営者インタビュー ~物流最前線をみる(19)~
ILRS-NEWS Vol.479

 

サイショウ・エクスプレス(株) 齋藤専務

御社にとっていま経営の最重要課題とは。

(齋藤専務)事故ゼロをめざし、社内で健康の促進とコミュニケーションの活性化をはかっていくことだ。健康については、三年前に身内の不幸があったことや従業員の大きな病が続いたことがあり、健康経営優良法人をめざそうと3年前に健康経営コンサルタント指導のもと、保健機関から健康経営の認証を取得した。企業として健康診断からのサポートできることはとことんやっている。この結果、企業イメージの向上で人材採用によい影響が出ている。さらに来年は「心身ともに正しく」というテーマでドライバーさんに健康経営を通じて道徳・倫理も勉強してもらおうとリーダーたちと話し合っている。

コミュニケーションの円滑化も事故ゼロをめざす上で欠かせないものだ。コンサルタントを入れて人事評価制度に取り入れているのだが、年功序列の壁があり、推進していくのは難しい面もある。課題は多いのだが、放置すれば若い人に受け入れられなくなるので、プロジェクトの中でやっていく。

事故ゼロを掲げているが、安全対策はどのように行っているのか。

(齋藤専務)関東交通共済協同組合の協力を得て、事故防止に向けた講義、映像学習、指導を受けるなどの取り組みを行っている。グループ分けしてドライバーから多発する事故、年齢別の動向など聴取し、何か月かに一度は他グループとの情報交換も行う。個人目標を立てて取り組むほか、管理者も事故対応など勉強する。幸い大きな事故は起こっていないが、事故防止に向けた取り組みは継続してやらねばならない。

働き方改革への取り組みは。

(齋藤専務)当社は映像機器類やイベント関連、建築関係などの仕事が多いのだが、会場の設営や撤去、追加対応など真夜中に行うのも多く、緊急輸送もあれば長い待機もあり、まだ時間短縮の改善は難しい。デジタコを導入して、手書きをなくすなどドライバーの負担軽減ははかっている。また、産業医を選任して講習会のほかヨガ、ジョギングなどを就労時間帯に行ったり、親睦会でバーベキューをやったりとリラクシゼーションも含めた健康サポートを実施している。健康診断受診後の再受診率は8割を超えている。

― 齋藤専務は東京都トラック協会深川支部の青年部長を務めるが、青年部としてどのような活動を行っているのか。

(齋藤専務)深川支部は江東区の扇橋以南の門前仲町から東陽町辺りまでの深川地区が範囲で、深川警察署とともに小学校で交通安全教室を開いたり、通学路での街頭安全指導などの活動している。勉強会もやっていて、会員の経営的な取り組み、福利厚生などの発表会などを行っています。

(聞き手:葉山明彦)


サイショウ・エクスプレス株式会社
東京都江東区辰巳3-13-12

専務取締役 齋藤 敦士
ホームページ https://saishoex.com/

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