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内航定期船 関西-九州航路で輸送能力拡大 新造船投入や新規航路開設相次ぐ

Daily Cargo  2019年12月26日掲載

 

関西-九州間の内航定期サービスで、輸送能力増強の動きが相次いでいる。今年は4月に近海郵船が敦賀-博多間で、約13年ぶりとなる日本海側西日本の新規RORO航路を週3便で開設し、7月にはデイリー化した。既存航路の拡充では、3月にマルエーフェリーがRORO船「琉球エキスプレス6」を阪神-鹿児島・沖縄航路に投入。同社の阪神航路はこれまで1隻体制・2週3便というスケジュールで寄港曜日が固定されていなかったが、1隻追加投入することで定曜日化し、利便性を高めた。来年以降も、従来船より大型となる長距離フェリーやRORO船がリプレースで相次ぎ就航する予定となっている。

足元では、トラックドライバー不足やドライバーの労務管理の強化を受けて、国内物流の主力となる長距離トラック輸送が難しくなりつつある。加えて、働き方改革への対応も求められており、2024年度からはトラック事業者にも罰則付きの時間外労働の上限規制が適用される見通しだ。また、相次ぐ自然災害を受けて、荷主が物流ルートを分散化する動きも出ている。こうした中、長距離トラック輸送の代替として内航海運を活用するモーダルシフトの機運が高まっている。

一方で内航定期サービスの輸送能力が既に逼迫していることから、「輸送スペースの問題で、新規の需要を取り込むことができなかった」(内航船社)ケースも多い。今後、25年には大阪・関西万博が開催される。「万博関連の物流に期待する」(フェリー関係者)声もあり、各船社は新たな需要を取り込むべく、船型の大型化や既存航路の増強、新規航路の開設などを通じて輸送能力を拡大している。

船型の大型化が目に見えて進み始めたのは15年からだ。同年に阪九フェリーが泉大津-北九州航路の2隻、名門大洋フェリーが大阪南港-北九州航路の2隻を新造大型船にリプレースし、トラック輸送能力を2~3割増強した。18年にはフェリーさんふらわあが大阪-志布志航路で新造フェリー2隻を投入し、トラック輸送能力を約2割増やした。

来年には、阪九フェリーが神戸-北九州航路に新造船2隻を投入する予定で、輸送能力を約2割増加する。併せて、神戸航路を運航している「つくし」を泉大津航路に転配し、3隻体制に増配する方針だ。RORO航路では、八興運輸が来年2月に新造船「HAKKOひなた」を既存船とのリプレースで細島-阪神航路に就航させる。従来船と比べてシャーシ輸送能力が約1.7倍、商品車輸送能力が約3.3倍と大幅に増強される予定だ。電源設備も増やし、農産品の集荷にも力を入れていくほか、小口混載貨物や商品車の取り込みも進める。プリンス海運も来年6月に苅田-神戸-追浜航路(西航路)に投入しているRORO船「フェニックス」のリプレースとして、新造RORO船「白虎」を就航させる方針だ。同社にとって過去最大船型となり、輸送能力は乗用車は800台で変更ないが、シャーシは102台(12メートル換算)から116台(13メートル換算)に増強する。自動車部品などシャーシの輸送需要増加に応える考えだ。

21年度以降も大型化の動きが続く。このほど名門大洋フェリーと宮崎カーフェリー、フェリーさんふらわあの3社が各2隻ずつの新造フェリー建造計画を発表した。いずれも各社にとって過去最大船型となる。名門大洋フェリーは02年に就航した「フェリーきょうとⅡ」「フェリーふくおかⅡ」の代替として、2隻を三菱造船に発注した。トラック輸送能力は約162台(12メートル換算)と約1.5倍に増強する。第1船が21年12月、第2船が22年3月に就航する予定だ。宮崎カーフェリーは宮崎県・市からの貸し付けや地元金融機関からの融資などを受けて、22年度に2隻を就航させる。新造船のトラック積載台数は163台(12メートル換算)となり、従来船と比べて33台増強する。フェリーさんふらわあは22~23年に瀬戸内海を航行するフェリーとしては最大船型となる約1万7300総トンLNG燃料フェリー2隻を投入する。トラック輸送能力を現行船比48%増の136台(13メートル換算)に増強し、需要の増加に応える方針だ。


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